日本銀行は、3~4日に開いた金融政策決定会合において、当面の金融市場調節方針を決定した。景気の基調判断については、前月までの「緩やかに回復している」に据え置いた。

資金供給量(マネタリーベース)を年間60~70兆円規模に増やす金融政策「量的・質的金融緩和」の継続についても、政策委員の全員一致で決定した。

設備投資については、企業収益が改善する中、前月までの「持ち直しつつある」から「持ち直している」に上方修正。公共投資は増加を続けているとし、住宅投資は前月の「持ち直しが明確になっている」から「増加している」に上方修正した。

海外経済については、前月と同じ「一部に緩慢な動きもみられているが、全体としては徐々に持ち直しに向かっている」と表現。輸出についても、前月までの「持ち直し傾向にある」に据え置いた。

個人消費については、雇用・所得環境に改善の動きがみられるとし、前月同様「引き続き底堅く推移している」と判断。上記の内外需要を反映して、鉱工業生産についても前月と同じ「緩やかに増加している」との見方を示した。

企業の景況感は「改善を続けている」とし、この間、日本国内の金融環境は「緩和した状態にある」と表現した。予想物価上昇率については、前月と同じ「全体として上昇しているとみられる」とした。

経済の先行きについては、前月同様「緩やかな回復を続けていくとみられる」と判断。消費者物価の前年比についても、前月までの「プラス幅を次第に拡大していくとみられる」に据え置いた。

一方、リスク要因として、欧州債務問題の今後の展開、新興国・資源国経済の動向、米国経済の回復ペースなどを挙げ、「日本経済をめぐる不確実性は引き続き大きい」と分析している。