「スッキリと暮らしたい。だから少しぐらい家賃が高くても、収納力のある部屋を!」というのは昔の話!? 今ではもう、収納スペースを“部屋の外”に作ることができるのです。進化する収納サービスを上手に使って、安く収納場所を確保することを検討してみよう。
段ボール1箱預けて月額200円
従来の収納サービスは、荷物を出し入れするのに自分で保管場所まで行かなければならなかった。仕事が忙しく自家用車もないようなビジネスパーソンにとっては、これが結構死活問題となる。今回紹介する収納サービスは、ネットで出庫手続きができるものばかりだ。しかも保管施設を1カ所に集めることで、低コストが可能になる。配送手配は業者に委託、荷物が必要な時はスマホやPCで依頼するだけでいいようになっている。
まず、「Minikura」は、専用のボックス(キット)に荷物を詰めて送るだけ。キットは無料で、最短で申し込み翌日に届く。集荷依頼は会員画面からでき、集荷料も無料となっている。出庫は会員画面から行い、出庫料は送料込みで800円。1年以上預けたものは、送料無料で出庫できる。1カ月200円で預けられるキットは3種類の大きさがあり、預ける中身に合わせて選べる仕組みとなっている。
クリーニング代込みは本当にオトク?
では、費用対効果は実際のところどうなのだろうか? 衣替えの今なら、minikuraのクリーニングパックが気になる人もいると思うので、今回はこちらを検討してみたい。このサービスは、衣料最大10点までのクリーニング料と6カ月の保管料が込みで9,000円、7カ月目から月額500円の保管料というもの。キットでの取り出しは、預け入れ・送料ともに無料。個品での取り出しは預入期間に関わらず、1梱包800円となる。
気になる点は、預かってもらえるキットの大きさが、40cm×40cm×40cmな点。最大10点とあるが、この大きさに入る衣類の量はどれくらいなのだろうか? コールセンターに問い合わせしたところ、「スーツ4着、コート2着程度」とのこと。ちなみに、スーツ4着とコート2着を我が家の近所でクリーニングした場合、クリーニング代だけで8,000円程度になった。その分を9,000円から差し引いた額が保管料と考えると、半年分で1,000円程度となる。
7カ月目からの保管料500円は、同じサイズの箱を預ける「HAKOレギュラーキット」(保管料200円/月)より割高であるが、クリーニング後の衣類は1点ずつ撮影してWeb管理しており、単品での出庫も対応してくれる。袋に詰めて送るだけ、クリーニング店での引き取りの煩わしさがないという点も魅力と言えるだろう。これらのサービスにお金を払うかどうか?というところが、どのプランにするかの分かれ目だろう。
量がある場合は「HIROIE」が便利
また、「HIROIE」だと、段ボール5箱まで500円となる。段ボールの大きさは44cm×32cm×27cmなので、相当な量を預けることができる。しかも、当初の3カ月の保管料や初回往復送料・作業料無料(2回目以降の預入引き出し時は、送料が1個につき700円、入出庫作業料は1個につき105円)。段ボールに入りきらないものは、プレミアムプランというのもある。キャンプ用品、スキー板など、段ボールに入らないものは量に応じて0.1~5畳のスペースに預けることができる。
これら以外にも収納サービスを展開している業者は多々ある。収納というと、“ある程度まとまったスペースを借りる”という認識をしている人も多いだろうが、現在では段ボールサイズの小さな荷物から、手軽に収納することができるのである。「部屋が手狭になったから引っ越しを……断捨理を……」の前に、一度検討してみるのもいいかもしれない。
筆者プロフィール : 楢戸 ひかる(ならと ひかる)
1969年生まれ 大手商社勤務を経てフリーライターへ。中学生と小学生の男児3人を育てる主婦でもある。家事生活をブログ「家事マニア」にて毎週火曜日に更新中。