ロボコロの声優を厚木市内の小学生から募集

今後の開発スケジュールだが、国際ロボット展でプロトタイプの進化版を披露した後、11月末には正式版の図面がフィックスされてATSUMOを通じて厚木市の企業に対して公開され、そして2014年4月末に正式版が披露される予定。また、後述するが、ロボコロはしゃべらせることも正式に決定しており、その声を担当する声優を厚木市内の小学生から募集することが決まっており、公募はスタートしている。

さらに将来的には、正式版ロボコロに音声認識機能などの追加も考えているそうで、兵藤教授によれば、時間をかけていろいろと機能を搭載してアップデートしていきたいという(ロボコロは、学生が学習するためのいいプラットフォームという立場でもあるのだ)。また岡本氏は夢とはしながらも、「東京オリンピックで世界初のロボット聖火ランナーをやらせたいです!」としている。7年あれば、行けるのではないだろうか? 何しろ、1985年のつくば万博で、早稲田大学+日立製作所で共同開発された二足歩行ロボット(ヒト型はしていない)「WHL-11」がフルマラソンの距離以上の60kmを無故障で走り抜いたというのだから、今の技術なら行けそうである。

またロボコロはこの後年内に複数の箇所でプロトタイプの実機を披露する予定で、最も早いところでは10月6日(日)の「高校生の為のロボティクス講座」(神奈川県青少年センター)がある。さらに、11月25日(月)「青少年のためのロボフェスタ」(神奈川県立神奈川総合産業高校)、12月14日(土)「姫路ロボチャレンジ」(姫路科学館)、「きのくに全国小学生ロボコン」(和歌山県御坊市体育館)などでも披露される予定だ。そのほか正式決定ではないが、厚木市は市制60周年イベントが2014年2月1日に控えており、その際のイベントや、8月の「あつぎ鮎まつり」などの厚木市の大きなイベントにも登場させたいと、小林市長も希望を述べている。

そして前述したように、今回のロボコロで大きな目玉としているのが、ロボコロの声を担当する声優を、厚木市内に居住・通学する小学1~5年生から募集すること。そして発表に合わせてロボコロの声優募集もスタートしている。応募者多数の場合は20名ぐらいを選抜して公開オーディションを行い、1名を決定するとしている。また、この声優は毎年決めていく予定で、今回は2013~2014年度の活動になるので1~5年生を対象としているが、2015年の募集からは小学1~6年生となるという(毎年決める予定)。申し込みフォームはこちらだ。

申込期限は12月10日(木)で、審査基準は「明るさ、言葉の聞きやすさ、声の大きさ、姿勢や態度、イメージとのマッチ度」としており、その5項目を審査員が各10点満点の合計50点で採点し、その合計点が一番高い人を選出するとしている。アピール内容は、名前、学校、学年、得意なことなどの自己紹介、早口言葉2種類(当日発表の5種類から選べる)、意気込みを3分程度で話す形だ。

姿勢や態度は、音声と直接は関係ないかも知れないが(でも、姿勢が悪いとお腹から出る声は出せない)、個人への取材・出演などの可能性もあることから、審査基準に含めるとしている。初回の音声収録は、2014年3月末の春休み期間中に実施の予定だ。さすがにこの記事を読んでいる小学1~5年生はいないと思うが、厚木市在住・通学しているその学年のお子さん・お孫さん、甥っ子・姪っ子などがいるという方は、話して上げてはいかがだろうか。

というわけで、中小企業が力を合わせて開発するゆるキャラロボット・ロボコロ、全国各地の「我々だってロボットを作れる!」という社長さんや技術者の方々も含めて、参考にしていただくと同時に、応援していただきたい。どうせなら日本中でゆるキャラとかを各地の技術系中小企業の底力でもってロボット化してもらって、聖火ランナーを何台ものロボットでやってもらっても、日本らしくていいのではないだろうか。なお、国際ロボット展での進化版プロトタイプ・ロボコロの様子もお届けする予定なので、お楽しみに。

最後は、KAIT工房に展示されていた相澤ロボット(昭和30~50年代ぐらいまでに故・相澤次郎博士によって作られた800体ほどのロボットたち)の復元プロジェクト(神奈川工科大学などが行った)で復元された12体の内の1体「秀くん」もせっかくなので紹介しておく(画像18)。筆者は残念ながらリアルタイムで見た記憶がないのだが、大阪万博でも子どもたちの人気を博したそうなので、40代後半から上の世代の人なら覚えている人も多いのではないだろうか。

画像18。相澤ロボットの秀くん