意外と少ない150cm以上の二足歩行ロボット

そして今回の開発に関しては、150cm以上の二足歩行型ヒューマノイドロボットとなると、歩かせるだけでも非常に大変なことから、モーション解析、つまりコンピュータシミュレーションを最初に行ってから設計を行ったという。歩いたり立たせておくには脚部にどのぐらいの力が必要か、起き上がるには肩・腕や足などにどれだけの力が必要かといった解析も学生たちが行ったというわけだ。

ちなみに、150cm以上の二足歩行型のヒューマノイドロボットというとかなり少なく、現役機としては、産業技術総合研究所/川田工業の「HRP-2 PROMET」(154cm)、女性型の「HRP-4C 未夢」(158cm)、「HRP-4」(151cm)、はじめ研究所のHAJIME ROBOT33号(二足歩行型ヒューマノイドロボットでは最も全高があると思われる210cm)などがある。ASIMOは120cm、ROBO-ONEでかつて活躍したヴイストン製の「ALCNON?」なども約120cmということで、なかなか150cmオーバーのロボットはない。海外でも仏アルデバラン・ロボティクスが開発中の「Romeo(ロメオ)」が143cmと発表されているが、150cmにはちょっと届かないという具合だ(日本のチームも参加予定の「DARPA ロボティクス・チャレンジ」には複数の二足歩行型ヒューマノイドロボットが出てくる予定だが(12月20・21日に開催)、スペックなどが見当たらないので確認はできないのだが、中にはもしかしたら150cmオーバークラスもいるかも知れない)。

さらに、こうした大型ロボットの中でも起き上がり動作を行えることが明言されているのはHRP-2ぐらいで、このサイズのロボットを動かすこと、さらには起き上がり動作を行わせることがどれだけ難しいかがわかるというわけだ。実際、プロトタイプ・ロボコロも、モーションの調整が間に合わなかった上、立っている内にサーボが熱ダレでパワーを失ってしまい、今回は残念ながら1歩を踏み出すのも難しい状況だった(画像17・動画1)。ただし、その場でのスクワット(屈伸)は披露している(動画2)。

画像17。ロボコロ、今回は1歩がなかなか大変だった

動画
動画1。研究室で、つり上げた状態での歩行モーション
動画2。研究室でのスクワットの様子