実際の開発は神奈川工科大学が担当

開発そのものは、神奈川工科大学 創造工学部ロボット・メカトロニクス学科の兵頭和人教授(画像13)を中心に、その教え子の4年生の森栄樹氏(上半身設計)、北島尚氏(下半身設計)、勝又天理氏(モーション解析)の3名が製作(画像2)。そして、前述したMANOI企画の岡本正行代表取締役(ATSUMOロボット開発担当理事)もプロとしてアドバイスやマネジメントなどで開発に加わっている(画像14)。ちなみに学生3名は就職も内定が決まっており、卒業制作的な形でプロトタイプ・ロボコロの製作を担当した。今後、代々兵藤教授の研究室の学生たちがロボコロを引き継ぎ、アップデートやメンテナンスをしていく形になる。なお、このプロトタイプお披露目式のためにここ3~4日ほぼ寝てないような状態でがんばったという。

画像13(左):ロボコロ開発の陣頭指揮を執る兵頭和人教授。画像14:ATSUMOロボット開発担当理事のMANOI企画の岡本正行代表取締役

フレームは学生たちが強度計算を行って設計しており、プロトタイプはFRP(薄緑のパーツ)+一部足の付け根や肩などにアルミが使われている。正式版では金属パーツは極力減らして全身カーボン(CFRP)製にし、さらなる軽量化を図る予定だ。正式版では前述したように身長を170cmまで伸ばし(太腿やスネの脚部フレームを延ばして対応するという)、頭部パーツだけでなく全身に段ボール製の外装を装備させる予定だが、重量は今回のプロトタイプと変わらない15kgを維持するという。

そのため、前述したカーボンへの変更に加え、さらなる肉抜きを行い(今回はプロトタイプなので強度的にかなり余裕を持たせたているためにその分重くなってしまっている)、またビスも軽いものに取り換えるなどして、軽量化を図っていくとした(ビスだけで何百個も使っているそうで、合計すると1kg以上あるという)。ロボコロは11月の国際ロボット展に出展される予定で、その時には大幅にブラッシュアップして重量を約12kgまで減量した改良版を披露する予定だ。

また、デザイン的にプロトタイプは左右の足の間がかなり開いている状態だが(画像15)、そこをもっと狭くしてスマートな感じにするという。股間の緑色のところの内側にリチウムフェライトバッテリ(画像16)が一番広い面を正面に向けて設置しているのだが、その広い面を正式版で横に向けて足の付け根の間隔を狭くするとしている。本来、あゆコロちゃんはブタがモチーフ(そして頭の上に鮎を載せている)のキャラクターなのでかなり丸丸とした体型が特徴なのだが、ロボコロはスリムな方向にしていくようである。

画像15(左):両脚がかなり離れているので、正式版ではこれをもっと近づけるという。離れているから安定感があるかというと、そうではないそうである。画像16(右):リチウムフェライトバッテリ。プロトタイプでは、このように設置しているが、それを左右の細い面を正面に向けて設置するという