プロトタイプ ロボコロの外装パーツは段ボール

なおロボコロの正式版は2014年4月末に披露される予定だ。正式版の全高は頭部を含めた段ボール製外装パーツを含めて約170cm、重量は約15kgとしている。ちなみにプロトタイプは、段ボール製頭部パーツ(画像8)を含めて全高が約150cm(画像9)、重量は約15kgだ。またプロトタイプの頭部パーツを除いた全高(肩高)は約90cmとなっている(画像10)。正式版は頭部を3自由度(顔を上下、左右、そしてかしぐ方向)で動かすので首の部分が用意される計画だが、プロトタイプは首の部分がなく、ロボット本体で最も高いのが肩という具合だ。

画像8(左):顔パーツは見た通り段ボール製で、このように簡単に取り外しが可能。ATSUMO参加企業の段ボールの製造やデザインなどを扱っているタイヨー株式会社がデザインしている。なお、プロトタイプ仕様なので、正式版はまた新たに作られる予定。画像9(中):プロトタイプ・ロボコロの身長は頭部パーツを含めて150cm。画像10(右):ロボコロの頭部パーツを取ったところ

自由度(関節の動く方向)は17で、トルクを稼ぐために全関節のサーボモータをダブル構成にしている点が特徴の1つだ。しかも、あお向け・うつ伏せのどちらの状態からでも起き上がれるようにするため、肩には特にトルクが必要なことから、両肩のみサーボモータがクワトロ(4個)構成としている(画像11)。よって、17自由度×ダブル+4個で、全身に38個のサーボが使用されているというわけだ。バッテリは扱いやすさ(火災などの事故がないよう)リチウムフェライトを利用している。

また、脚部にリンク機構を採用している点も特徴の1つだ(画像12)。リンク機構というのは電車のパンタグラフで使われていることが有名で、ヒザにサーボモータを必要としないことから重量を軽減でき、また足底が地面と平行になるので歩かせやすいといった理由から、大型ロボットに使われることが多い方式だ。ROBO-ONEなど1m以下もっと小型なロボットでも、重量軽減のために採用していることも多い。ただし、パワー(トルク)的に劣る点や、起き上がる際に足の裏を地面につけられない(機構上、寝ている時は足の裏を必ず見せる状態になってしまうため)などの短所もある。

画像11(左):両肩のみサーボモータ4個のクワトロ構成でトルクを稼いでいる。画像12(右):脚部にリンク機構を採用して軽量化と歩行モーションの安定を狙っている