経済協力開発機構(以下、OECD)のアンヘル・グリア事務総長はこのほど、安倍総理が10月1日に消費税を現在の5%から8%に引き上げると決断したことに対して、祝意を表明した。
日本経済は、2013年上半期において年率約4%の成長を記録。OECDは、日本がG7諸国の中でも最も速いペースで経済が回復しているとし、このことが「消費増税への道を開いた」と分析している。
グリア氏は「日本はこの増税を実現する能力を備えています。 安倍氏自身が述べているように、この増税は日本の信任を維持し、持続可能な社会保障制度を次の世代に引き渡すために不可欠です」と述べている。
現在、日本の公的債務はGDPの約230%に上る。OECDは、日本が財政を正常化する意志があることを世界に示すために、消費増税は避けられないと見ている。同時に、急速に進む高齢化が財政正常化をより困難にしていると指摘。すでに日本はOECD諸国の中で最も高齢化が進んでいるが、2050年まではこの状態が続き、これにより公的社会支出への圧力がさらに増すことになると推測している。
「2020年までにプライマリー財政黒字を達成する」という日本の目標を実現するためには、多くのステップが必要となる。OECDでは、今回の増税がその「第1のステップ」になると考え、これにより、日本は詳細かつ確実な財政再建計画を立てることが可能となり、国家財政への信頼をさらに高めることができるとしている。
加えて、「財政再建計画には、2015年に消費税率を10%に上げるという歳入増加を目指すだけでなく、社会保障費の増加を抑える社会保障改革を含めるべき」と提言している。