2003年1月~2004年1月に放送された特撮TVドラマ『仮面ライダー555』のBlu-ray化が決定し、9月20日に都内で会見が行われ、主要キャストが登場した。
『仮面ライダー555』は、「平成ライダー」第4作でキャッチコピーは「疾走する本能」。オルフェノクと呼ばれる怪人側にスポット当てた物語や単純な善悪二元論では割り切れない群像劇が話題となり、「平成ライダー」シリーズの中でも人気が高い作品。脚本は全話にわたって井上敏樹氏が担当している。携帯電話などをモチーフにした変身ベルト「ファイズドライバー」をはじめとした玩具が100万本売り上げるなど、大ヒットを記録している。
今回のBlu-ray化は、『仮面ライダーW』Blu-rayの購入者を対象にBlu-ray化を希望する「平成ライダー」作品のアンケートを実施し、その結果『仮面ライダー555』のBlu-ray化が決定したという。この日の会見には、主演の乾巧/仮面ライダーファイズ役の半田健人をはじめ、園田真理役の芳賀優里亜、菊池啓太郎役の溝呂木賢、木場勇治/ホースオルフェノク/仮面ライダーオーガ役の泉政行、長田結花/クレインオルフェノク役の加藤美佳(現:我謝レイラニ)、海堂直也/スネークオルフェノク役の唐橋充、草加雅人/仮面ライダーカイザ役の村上幸平、三原修二/仮面ライダーデルタ役の原田篤ら8人が、記者会見の場に姿を見せた。
記者会見に先立ち、Blu-ray BOX特典映像の収録を行っていたという8人は、放送終了後も頻繁に飲み会などを開いて交流を続けていたというが、公式の場に集結したのは実に10年ぶりのこと。半田は「どれだけ期間があいていても、集まればすぐに撮影していた時のような雰囲気になれるのがファイズメンバーの良いところ。撮影をしていた時間に築き上げた家族愛的な絆がみんなの中にあるからだと思います」と、撮影後から変わらないキャスト陣の仲の良さをアピール。また、集まるとライダーの話はあまりしないものの、撮影当時の様子は皆が鮮明に覚えているという。
続く泉は「ここに来るまではドキドキしていました。毎年集まっていますが、公式に集まるのは10年ぶりだったので、どういう会話をするのか不安でしたが、10年前と何もかわらなくて、安心しました」と笑顔を見せる中、我謝は「変わってる部分もあれば、変わっていない部分もある。みんないろいろな仕事を経て大きくなっている」と感慨深げ。また、唐橋が「今年はじめに10週年を迎えて色々できたらと思っていたところに、こうした仕事が入って今年はいい年だなと感じました」と、今年が終わったかのようなコメントをすると、すかさず全員から総ツッコミが入り、仲の良さは随所に伺えた。
Blu-ray BOXの特典映像には、8人のキャストによる座談会が収録されるが、これについて加藤は「楽屋でも話はずっと尽きなくて、4時間でも一日でも話し続けることができそう」と話し、充実の内容になっているという。最後に8人は、ファンに向けてそれぞれにメッセージを述べて記者会見は幕となった。『仮面ライダー555 Blu-ray BOX1』は、2014年1月10日に発売される。
半田:平成ライダーの中で『仮面ライダー555』が一番好きですと言ってくださる方が多いです。僕も平成ライダーの中では一番面白い作品だと思っています。僕自身にとっても、思い出深い作品で、作品性などでみても見劣りしない作品だと思います。
芳賀:一人、一人の人間ドラマが描かれている作品で、人間味に重点をおいてみていただければ、楽しめるかと思います。
泉:ただ単に変身して怪人を倒すだけの番組じゃなく、一人、一人にドラマがある作品。
我謝:『仮面ライダー555』は、(仮に)自分が出演していなかったとしても、自分の子供に見せたい。悪の裏側も描いた作品なので、多くの人に見てもらいたいです。
唐橋:怪人側にもスポットを当てた、当時では珍しい構成だったと思っています。最近はスピンオフなどで改めて描くことはありますが、一本の作品のなかで描いていて面白い作品だったと思います。
溝呂木:すごくメッセージ性が強くて、悪が悪なのか、正義が正義なのか……そういったもの、メッセージを感じていただければと思います。
村上:小さい頃に見ていた方が、大人になって見返したら「凄い作品ですね」と言ってくださる方がたくさんいる作品ですね。
原田:話を知っている方にとっては美しい映像で見れるという楽しみがあるかと思います。各々キャラクターの視点からみていただけると新しい面白さがあります。そういった見方をしていただければとうれしいです。