説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「どうして13歳未満はApple IDを取得できないの?」という質問に答えます。

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App StoreやiCloudなどAppleが提供するオンラインサービスは、「Apple ID」の取得が必須です。Apple IDでサインインしないかぎり、それらサービスは利用できません。そしてApple IDを取得できるのは、13歳以上という規定があります。

なぜ13歳以上かという理由のひとつには、Appleが定めるプライバシーポリシーがあります(原文/邦訳)にのっとって利用されます。Apple IDでサインインすることは、そのプライバシーポリシーに同意することであり、Apple自身もプライバシーポリシー遵守を社是としています。

たとえば、iPhoneに話しかけることで各種の処理を行う「Siri」は、その機能をオン/オフするスイッチの下に「Siriとプライバシーについて」というハイパーリンクを設け、Siriの機能と引き換えに送信されるデータの詳細を明らかにしています。そこには、Appleが収集する個人情報の具体的な内容とともに、「Appleが収集する情報は、Appleのプライバシーポリシーに従って取り扱われます」という宣言も見てとれます。

Appleが本社を構える米国では、1998年に児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)という法律を制定しており、そこでは13歳未満の児童のオンラインプライバシーおよび個人情報の保護がうたわれています。Appleのプライバシーポリシーにある「意図的に13歳未満の子供から個人情報を収集することはありません」という一文も、そのCOPPAに従ったものと考えられます。App StoreやiCloudは米国のサービスであり、米国の法律に従う必要があるため、世界一律で13歳未満にはApple IDが発行されないのです。

写真で解説

Appleが定める「プライバシーポリシー」には、13歳未満の子供から個人情報を収集しない方針が明記されています