ソニーは9月30日、コンテンツ保護技術「SeeQVault(シー・キュー・ボルト)」規格に対応したmicroSDHCメモリカード「SR-16SA」「SR-32SA」を発表した。発売は10月25日。価格はオープンで、推定市場価格は、容量16GBのSR-16SAが4,500円前後で、32GBのSR-32SAが8,000円前後。

「SeeQVault」規格に対応したmicroSDHCメモリカード。左が「SR-16SA」で、右が「SR-32SA」

SeeQVault規格は、メモリーカードに保存したHD画質のコンテンツを、録画した機器以外でも再生可能にする保護技術の規格。NSM Initiatives LLCが2013年2月よりライセンス提供を行っている。

同日発表されたポータブルワイヤレスサーバー「WG-C20」は、ソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されているネットワークレコーダー&メディアストレージ「nasne(ナスネ)」で録画した番組を、ホームネットワーク経由で"お出かけ転送"することができる機器だ。WG-C20はDLNAサーバー機能を搭載しており、WG-C20に挿入されたストレージに保存したコンテンツは、DTCP-IPに対応したDLNAのプレーヤーを使って、ホームネットワーク経由、またはWi-Fiダイレクト経由で再生することができる。ただし、ここまでは従来のDTCP-IPによるダビングとDLNAの仕組みを使ったもので、SeeQVaultに対応したメディアを使わなくても実現できる。

SR-16SA・SR-32SAを使用した場合、nasneからWG-C20にコンテンツをコピーすると、コンテンツが保存されているメディア(SR-16SA・SR-32SA)を、別のSeeQVaultに対応した再生機器に挿入してHD画質で再生させることが可能となる。これは、コンテンツの著作権保護情報が、録画機器側ではなく記録メディア側にヒモ付けされているためだ。

ただし、SR-16SA・SR-32SAが対応している機器は、現在のところ、同日発表されたポータブルワイヤレスサーバー「WG-C20」のみなので、このような使い方をするためには、今後、スマートフォンやタブレットなど、対応機器の登場を待つ必要がある。

スピードクラスはClass 1(UHSスピードクラス)/Class 4(SDスピードクラス)だ。読み出し速度は、最大40MB/S。