経済産業省は30日、2013年8月の鉱工業指数速報(2010年=100、季節調整値)を発表した。それによると、8月の鉱工業生産指数は前月比0.7%低下の97.2となり、2カ月ぶりに下落した。前年同月比でも0.2%(原指数比)低下した。
ただし、併せて発表した製造工業生産予測調査によると、9月、10月とも大幅な上昇が見込まれることから、同省は基調判断を「生産は緩やかな持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
業種別に見ると、前月より生産が低下した業種は全15業種のうち7業種。このうち、はん用・生産用・業務用機械工業は前月比2.4%減、化学工業(医薬品を除く)は同2.8%減、輸送機械工業は同0.9%減などとなった。品目別では、普通乗用車、モス型半導体集積回路(メモリ)、反応用機器の順に低下に寄与した。
一方、前月より生産が上昇したのは7業種。このうち、電気機械工業は前月比1.2%増、金属製品工業は同1.3%増、パルプ・紙・紙加工品工業は同2.0%増などとなった。このほか、情報通信機械工業は前月から横ばいとなった。
出荷指数は前月比0.4%増の96.0で、2カ月連続の上昇。なお、前年同月比では0.8%(原指数比)低下した。全15業種のうち7業種で上昇し、上昇に寄与した業種は、輸送機械工業が前月比3.6%増、情報通信機械工業が同8.9%増、金属製品工業が同1.0%増などとなった。
在庫指数は前月比0.1%減の108.6となり、2カ月ぶりの低下。前年同月比では3.2%(原指数比)減少した。全15業種のうち5業種で低下し、低下に寄与した業種は、輸送機械工業が前月比9.8%減、化学工業(医薬品を除く)が同2.3%減、はん用・生産用・業務用機械工業が同0.5%減などとなった。
製品の需要状況を示す在庫率指数は前月比1.6%上昇の112.3と、2カ月ぶりの上昇。前年同月比では2.7%(原指数比)低下した。
併せて発表した製造工業生産予測調査では、9月は前月比5.2%の上昇、10月は同2.5%の上昇と予測。 9月の上昇は、はん用・生産用・業務用機械工業、情報通信機械工業、輸送機械工業などによる。10月の上昇は、はん用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業、電気機械工業などによると見ている。