声優で歌手の平野綾が29日、都内で行われた、映画『キタキツネ物語―35周年リニューアル版―』の完成披露チャリティ試写会に出席した。
同作は、1978年に公開されたドキュメンタリー映画『キタキツネ物語』で助監督を務めた三村順一監督が、当時のフィルムを検証、再編集したリニューアル作品。流氷に乗ってやってきたキタキツネのフレップ(声:佐藤隆太)を中心に、妻・レイラ(声:平野)との出会い、子どもたちを育てる喜びや別れなど、北海道オホーツクの厳しい自然の中で生きるキタキツネの家族の姿を描く内容で、映画は10月19日から全国公開予定。
舞台あいさつには、レイラ役に加え挿入歌も担当した平野、キタキツネを見守る“柏の木”としてナレーションを務めた西田敏行と三村監督が出席し、平野は「佐藤さんや子どもたちと一緒だったので、本当の家族のような雰囲気でした。レイラを演じたからこそ、歌に感情を乗せることが出来ました」とアフレコを振り返ってにっこり。一方、招かれた福島の子どもたち約100人に「一生懸命に生きる気持ちを忘れないで」とエールを送った西田は、「日本中が涙して感動した作品なので、家族で観て欲しい。家族の素晴らしさ、命の輝きを感じてくれれば」と熱心にアピールした。また、スペシャルゲストとしてムツゴロウさんこと畑正憲氏がキタキツネを抱いて登場すると、西田は「毛深い! 暖かい!」と大はしゃぎしていた。
イベント終了後、報道陣の取材に応じ、キタキツネと触れ合った平野は「フワフワしてて可愛かった。この映画を通して、すごく強く生きていることを知ったので、優しい気持ちになりました」と感激し、「自然界の凄さに圧倒される。言葉は喋らないけど、表情で感情が伝わってくる」と改めて同作をアピール。「バラバラになる子どもたちをくわえて集めたりする子育てのシーンが印象的」と話す平野は、「結婚も出産もまだまだですが、子どもが生まれたら絶対に見せたい!」と笑顔を見せた。また、「キタキツネは『コン、コン』じゃなくて、犬の様な声なんですよ」と鳴き声を披露した畑氏に、西田がロバの鳴き声で対抗する場面も。しばらくロバ談義で盛り上がる2人に、平野は「今日はキツネの話なんで!」と苦笑いでたしなめていた。