福山雅治、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキーらが28日、東京・新宿ピカデリーで映画『そして父になる』の初日舞台あいさつを行った。
是枝裕和監督がメガホンを取った同作は、約5年ぶりの主演となった福山が初めて父親役に挑んだ作品。息子を取り違えられた野々宮家と斎木家の2つの家族をとおして、血とは何か、愛とは何かを問う。今年5月に行われた第66回カンヌ国際映画祭では、観客からスタンディングオベーションによる喝采を浴び、審査員賞を受賞した。
上映前に登壇した福山は、「やっと初日を迎えることができました」とあいさつし、「この時間と映画そのものをじっくりと楽しんでいただければと思います」と観客に呼びかけた。現地時間の20日、是枝監督と共に、スペインの第61回サン・セバスチャン国際映画祭に出席した福山。29日に発表される観客賞が、28日時点で1位になっていることを受け、「劇場での反応がすばらしかったです」と振り返ると、「監督と一緒に劇場を出て、ロビーに向かったんですが、そこでも観客の皆さんが待っててくださって。手応えという意味では届いたんだな、つながったんだなという感じはすごくありました」とエピソードを披露した。さらに司会から、「『風立ちぬ』を抑えての1位ということで」と振られると、「まぁ…僕らは何も…」という曖昧な返答に観客は爆笑。「マスコミの方も入っていらっしゃるので、コメントを差し控えさせていただきます」と笑顔で映画祭の話題を締めくくった。
斎木家の父・雄大を演じたリリーは、「これから見ていただくので、内容についていろいろ言うと犯人が誰かすぐにわかってしまうので」と冗談を交え、司会から「そういうストーリーでした?」という問いかけには、「そうですね。基本的にはベトナム戦争をベースにした作品ですので」とさらに観客の笑いを取っていた。また、子役・滝沢美結が「5歳です。食べるのと歌うのが大好きです」とあいさつすると、リリーは「美結、俺の教えたこと言わないんだ?」と尋ね、小声で「『別に…』でしょ?」と耳打ちするも、滝沢は「言わないよ!」ときっぱり。その後も、しきりに求めたリリーだったが、事前に吹き込んでいた"別に…"は残念ながら不発となった。
この日の舞台あいさつには、福山が演じた良多の妻・野々宮みどり役の尾野真千子、雄大の妻・斎木ゆかり役の真木よう子のほか子役たちも出席。欠席した是枝裕和監督は、アメリカ・ロサンゼルスからの国際電話であいさつし、ドリームワークスでハリウッドリメイクされることが決まったことを発表した。