ポートレート写真の背景に関してもうひとつ大切なことは、そもそもどんな場所を選ぶかというです。前ページで紹介した2枚のポートレートは、撮影場所に公園を利用し、公園内の花壇や草木を背景に選んでいます。公園は、誰にとっても身近であり、落ち着いて撮影ができる便利な場所です。

次の2枚の写真は、窓から差すソフトな光を利用してノンストロボで撮影したもの。室内のややごちゃごちゃとした場所でしたが、その一部分を切り取るように背景として利用しています。どちらも、光線の具合と背景のシンプルさが、この撮影場所を選んだ理由です。

絞り優先AE(F1.2 1/125秒) 露出補正:+0.3 感度:ISO800 WB:太陽光 焦点距離:50mm カメラ:EOS 5D Mark III(写真をクリックすると拡大します)

絞り優先AE(F1.2 1/2500秒) 露出補正:+1.3 感度:ISO100 WB:太陽光 焦点距離:50mm カメラ:EOS 5D Mark III(写真をクリックすると拡大します)

また、背景だけでなく、前景にも気を配って場所を選ぶといいでしょう。下の写真は、公園の施設にある柵を前景として利用したもの。檻の中に閉じ込められたような不思議な写真になりました。さらに、その次の写真では、前景として水滴の付いたガラスを写し込み、雰囲気のあるカットを狙ってみました。

絞り優先AE(F1.2 1/1000秒) 露出補正:+1 感度:ISO100 WB:太陽光 焦点距離:50mm カメラ:EOS 5D Mark III(写真をクリックすると拡大します)

絞り優先AE(F1.2 1/320秒) 露出補正:+0.3 感度:ISO100 WB:太陽光 焦点距離:50mm カメラ:EOS 5D Mark III(写真をクリックすると拡大します)

次回はレンズの焦点距離について、もう少し掘り下げてみましょう。

(モデル:葉月ゆめ)

「一歩上ゆくデジカメ活用術」バックナンバー
第1回 イルミネーションを利用してボケのある夜景写真を撮る
第2回 冬の逆光を生かして印象的なスナップショットを撮る
第3回 水族館の生き物たちを幻想的なイメージで撮る
第4回 夜空に浮かび上がる満天の星を撮る
第5回 単焦点レンズで楽しむポートレート撮影・表情編
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