トヨタ自動車は26日、愛知県豊田市で2012年10月より実証運用をしている都市交通システム「Ha:mo」(ハーモ)を、10月1日より拡充すると発表した。
「Ha:mo」は、クルマなどパーソナルな乗り物と公共交通の最適な組み合わせによって、人にも街にも社会にも優しい移動の実現を目指す交通サポートシステムの総称。道路状況や公共交通機関の運行状況に応じてCO2排出量と利便性の双方に配慮し最適な移動手段の情報提供を行う「マルチモーダルルート案内」と、並びに都市内の近距離移動ニーズに対応する小型EVシェアリングサービス「Ha:mo RIDE」(ハーモ・ライド)を提供している。
今回の拡充により、シェアリング車両の台数拡大、車両ステーション数の拡大、車両利用料の有料化、マルチモーダルルート案内の利便性向上、会員数の拡大を実施。
シェアリング車両の台数拡大では、使用車両であるトヨタ車体製「コムス」を10月1日に45台追加投入し、10月中旬までに現在の10台から計100台にまで拡大。そのほか、ヤマハ発動機製電動アシスト自転車「PAS」についても、現在の10台から今後は100台まで拡大するほか、パーソナルモビリティのコンセプトカー「TOYOTA i-ROAD」を2014年初めに導入する予定。
なお、「TOYOTA i-ROAD」は10月1日から幕張メッセで開催される最先端IT・エレクトロニクス総合展『CEATEC JAPAN 2013』のトヨタブースにて展示する。
車両ステーション数の拡大では、10月1日に13カ所増やし、10月中旬までに現在の4カ所から21カ所まで拡大。より多くの通勤・通学者の利用が見込める豊田市内主要駅、市内主要公共施設・商業施設およびトヨタの事業所などに設置するとのこと。
車両利用料の有料化は、シェアリングサービスの有用性と事業性を評価するために行われるもので、10月1日より「コムス」の場合で各回利用時最初の10分が200円、以降1分毎に20円を加算(入会費や月会費は無料)。11月中旬からは、曜日・時間帯別の料金体系や、往復割引を導入するなど、料金水準と利用頻度の関係性を検証する。
マルチモーダルルート案内の利便性向上では、「Ha:mo RIDE」による移動を新たなルート選択の候補として提供するするほか、ルート上のアイコンから「Ha:mo RIDE」アプリにリンクすることで予約も可能となる。さらに、新開発の「統合バス運行管理システム」に接続してバスのダイヤや運行情報を一覧で見ることができ、登録したマイルート上での渋滞発生予測などを利用者に知らせる機能も追加される。
会員数の拡大では、車両台数と車両ステーションの規模拡大に併せて、「Ha:mo RIDE」会員数を現在の100名程度から1,000名規模まで拡大。幅広い層に会員メリットを実感してもらうために、10月1日からの1カ月間は初乗り料金を廉価設定するなどのキャンペーンも実施される。