帝国データバンク(以下、TDB)はこのほど、2013年「京都長寿企業の実態調査」の結果を発表した。それによると、業歴が100年以上の「長寿企業」は京都に1,139社存在することがわかった。

同調査は、同社の企業概要ファイル「COSMOS2」(144万社収録)を基に創業100年以上の「長寿企業」(個人、各種法人含む)を集計し、業種別、規模別、創業時期別に分析したもの。なお、「COSMOS2」は2013年8月時点のデータを使用している。

京都の「長寿企業」は1,139社(全国2万6,144社)で、前年の1,087社(同2万4,792社)から52社増加した。このうち、2013年が創業100年に当たる「創業100年企業」は54社(同1,410社)で、主な企業としては、金属工作機械製造のカシフジ、航空機エンジン製造の寺内製作所、ベーカリーレストランを運営する進々堂などがある。

業種別に見ると、最も多かったのは「清酒製造」の23社(全国707社)。TDBは理由として「産業として定着した歴史や古いこと、参入障壁が高いために新規参入が比較的少なく、安定した経営を続けやすかったこと」を挙げている。

以下、2位「呉服・服地小売」の21社、3位「婦人・子供服小売」の13社、4位「酒小売」の12社、5位「菓子製造小売」の11社、6位「漆器製造」と「旅館・ホテル経営」が同数の9社、8位「ガソリンスタンド経営」の8社と続いた。8位の「ガソリンスタンド経営」は、元来は食用油や照明脂の小売業者だった企業が、時代と市場環境の変化に対応して業態変化したものが多いという。

従業員数別に見た場合、「10人未満」が342社(全国1万6,287社)で最多となり、割合は全体の74.8%(同62.3%)を占めた。年商別では、「10億円未満」が415社(同2万1,431社)で割合は90.8%(同82.0%)。一方、資本金別では、「1億円以上」は10社(同1,901社)で割合は2.2%(同7.3%)にとどまった。これらの結果から、京都の「長寿企業」は中小・中堅規模の企業の比率が大きいことが明らかになった。

また、都道府県別の「長寿企業輩出率」(長寿企業数÷全企業数)を調べたところ、「京都府」が3.96%(前年3.80%)でトップとなった。TDBは「第2次世界大戦の被害が比較的軽微であったことに加え、寺社仏閣の支援や文化的な風土により、伝統工芸を守り育てる環境があったことなどが『長寿企業』の存続に大きく寄与した」と分析している。

都道府県別「長寿企業輩出率」(出典:帝国データバンクWebサイト)