「タビカレ」プロジェクトが本格始動

「日本経済再生に向けた緊急経済対策」(平成25年1月11日閣議決定)に盛り込まれた「官民協働した魅力ある観光地の再建・強化事業」により、全国613件の応募から78地域の取組が選定。この度、観光庁では78地域の取組や魅力を伝える「タビカレ」プロジェクトを本格始動した。

本事業では、「観光地の担い手(地域)」と「観光資源の目利き(旅行会社のバイヤー、旅行メディア、地域活性プランナーなど)」が協働して磨き上げた観光資源・商品を、第三者の視点により効果検証を行うモニターツアーが遂にスタートを切り、6月22日より実施されている兵庫県神戸市須磨区「神戸発・日本初"イルカたちと過ごす感動の二日間"」を皮切りに、そのほかの地域でも順次展開される予定となっている。

このような各地の取組が進むなか、これら78地域の取組を応援し、今までにない地域の魅力開発と旅行商品化を推進するため、本事業では、日本全国を大学(キャンパス)に見立てた、「タビカレ(日本タビカレッジ)」プロジェクトをスタートしている。

本プロジェクトでは78地域の取組を紹介し、様々な取組や各地の魅力、旅の楽しみ方を伝え、地域と旅行者の「出会い」「学び」「成長」の場となる特設サイト「タビカレ」を開設。今後、「誘客力を高める工夫を地域に促す地域育成プログラムの実施」「78地域を一同に集め、地域の取組のPR、商談会、投票コンテスト等をおこなう特別イベント (タビカレ学園祭日時:平成26年2月1日~2日。場所:東京ビックサイト)」などを通じて、観光地のレベルアップを図り、地域の観光資源の旅行商品化を目指すという。

「プラスワン」でさらなる魅力を伝える

その一環として、制作が進められてきたのが「プラスワン」だ。これは、"チラシ"や"パンフレット"以外で、各地域の観光資源・魅力が伝わり、旅行検討者の「行きたい」という来訪意欲を引き出す販促ツール。いつもの販促ツールに「プラス」して活用できるものとして、現在各地域が制作に取り組んできた。

たとえば、長野県で開催される「信州しなの町癒しの森『美と健康体験』ツアー」では、「プラスワン」として、「癒しの森ビデオカード」が制作された。こちらは、森が持つ「癒しの力」などを映像や川が流れる音などを収録することで、実際に行ったかのような体験が可能。ビデオカードを見ることで、言葉だけでは十分に伝わらない「癒しの森」が持つ魅力を伝えることを目的としており、信濃町をいつも身近に感じられるさらなる工夫が検討されているという。

また、プロ野球・オリックス球団のキャンプ地としても有名で、社会人・大学・高校などの野球チームもキャンプを行う宮古島の「草野球キャンプ in 宮古島」では、琉球ガラス製の「バット型泡盛ボトル&ボール型オトーリグラス」を制作。野球と宮古島の地域文化「オトーリ」を兼ね合わせることで、魅力あふれる宮古島をPRするのが目的で、琉球ガラス職人も「バット型の泡盛ボトル」を製作するの初めての試み。何度も協議や試行錯誤を重ねることで、高さ40cmの「バット型の泡盛ボトル」を完成させたという。あくまでも企画のメインは「草野球キャンプ」だが、今回の取り組みを通して、ダイビングやゴルフ、または食文化などの観光地としての魅力も存分に伝えていきたいとしている。

なお、「タビカレ」プロジェクトでは、東京駅前に2013年にオープンしたJPタワー商業施設「KITTE」にある「Tokyo City i」および併設するカフェとのコラボレーションにより、2013年10月24日より11月6日までの2週間「タビカレ・カフェ」を開催する。こちらは、選定された78地域が一般消費者と直接触れ合い、PRできる「場」として活用され、各地の「プラスワン」もあわせて展示される予定となっている。