iPhone 5sおよび5cの発売日を迎えた20日、KDDIは東京・原宿のKDDIデザイニングスタジオにおいて、同社田中孝司社長とauのCMキャラクターである剛力彩芽さん、哀川翔さんを迎えての発売イベントを行った。イベント開始を前に、行列を作る購入希望者に新聞号外の形をとった広告が配布された。
会場ではまず、田中社長が新機種発売に向けてスピーチを行った。今回全面に押し出している800MHz帯を使った「プラチナバンドLTE」の利点を改めて述べ、「なかなか3Gに落ちないというのを体験して頂きたい」とアピールした。3年ほど前にプラチナバンドLTE化のプロジェクトを起ち上げ、昨年1月に2GHz帯の基地局で空いた分を徐々にLTEに変えて行ったことを振り返り「今日こういった日を迎えられることが非常に嬉しい」と述べた。
すでにiPhoneを使用しているユーザーは多いが、すぐに800MHzのLTEを体験したいという声に応じて下取りプログラムを開始したという。発売直前の深夜には、学生向けにMNPで月額料金が割引されるプログラム「U22 auにかえる割」もリリースした。
3社による競争が始まったことについて、「(ユーザーは)複数の条件を比較してキャリアを選ぶと思いますが、ここでは端末は同じ。ネットワークはキャリアの一番の価値ですが、これは我々がダントツだとおススメできる。料金については、現実的にはほとんど変わらないところまできている。そういう意味で、サポートを非常に大事にしていることと、新しい4G LTE」が同社の強みであることを繰り返し強調した。
発売開始10分前となったステージには、ゲストの剛力彩芽さん、哀川翔さんが登場。行列に並んだ購入希望者らと共に発売開始のカウントダウンが行われた。購入者第一号となった男性には剛力さんから商品が手渡され、男性は「早く使いたいです!」とはやる様子で、嬉しそうな笑顔を見せた。
田中社長はこの後の取材に対し、現在の予約状況について「まあまあ、それなりに。少し5sを待っているように感じる」、またMNPの動向については「当然(数は)下がると考えて事業計画も作っている。それでもけっこういけるのでは。流入・流出の割合はそれほど変わらない」と回答。
端末の入荷状況が不透明だが、「よく分からないけど、ちょっと厳しいよね。できるだけ頑張って欲しい方に届けられるようにしたいが、どうなるか分からないのが本音」と、明確な回答は得られなかった。
今回、NTTドコモがiPhone販売に参戦したことについては「3社が出すことでもう一度盛り上がるのではないか。その中でも、我々のプラチナバンドはダントツだと実感できると思う。この春開始した(スマートフォン専用の会員制サポートサービス)スマートサポートも満足度が9割近く。ここをもっと磨いて、3社仲良く戦いを進めて行きたい」と、サービスの品質に自信を見せた。