帝国データバンクは19日、旅行会社のトラベル世界(東京都・港区)が8月30日に東京地裁へ自己破産を申請し、9月11日に破産手続き開始決定を受けたと発表した。
破産管財人は市川直介弁護士。財産状況報告集会期日は2014年2月4日午前11時。
トラベル世界は、1975年12月に設立。定期的に発刊していた会員誌「FLYING RABBIT」の紙面上で、自社企画の海外旅行プランを提案して読者からの参加を募り、旅行の手配・実施を行っていた。
個人旅行では困難な地域へのグループ旅行を企画していたことに加え、「企画内容、確実な手配、追加費用が一切かからない料金設定」(帝国データバンク)などが熟年層から支持され、2003年9月期の年収入高は約40億円を上げていたという。
しかし、近年はインターネットの普及により個人でも海外の情報が取得しやすくなったことや、国内からでも現地ホテルの予約が取れるようになった影響を受け、同社の売り上げは悪化。2012年9月期の年収入高は約11億7,000万円まで減少した。このような状況を受け、同社は先行きの見通しが立たなくなったとして事業継続を断念し、2013年6月28日に事業を停止していた。
申請時の負債は債権者約527名に対し、約2億9,800万円。