アスリートタレントの武井壮が、プロゴルファー上田桃子選手を追ったWOWOWのドキュメンタリー『ノンフィクションW 決断の時 上田桃子、自己改造への道』(9月27日 22:00~)で、テレビ番組のナレーションに初挑戦することになり、17日、都内で会見を行った。
武井は、アメリカでのゴルフの留学経験があり、ゴルフに精通し、上田桃子とも親交があるということで、ナレーションに抜てきされた。武井が、復活に向けて奮闘する上田の姿を見て、どんなナレーションを入れるのか、ゴルフを含め、スポーツに対する思いの丈を語った。
まずは、ナレーションに対する意気込みから。「僕はスーパーポジティブで、ネガティブなことを一切言わないタイプ。マイナスの原稿があったら、プラスに変えようかなと(笑)。たくさん人に見ていただいて、誰かが頑張ろうって気になったり、心が動かされたりすることがあればいいなあと。僕たちはアスリートでタレントでもある。いちばんの仕事は人に喜んでもらうことだから。まあ、僕も初なんで、滑舌が心配(苦笑)。フルに舌を活用して、力のこもったものにしたいです」。
武井は、ゴルフ留学をした4年間をこう振り返る。「25歳の時に陸上を止め、ゼロからスタートしました。他のスポーツはアマチュアレベルなら、すぐに全日本クラスに成れる自信があったし、実際にスポーツで打ちのめされた経験はなかったんです。でも、ゴルフだけは上手く行かなかった。自分が思う場所に唯一たどり着けなかったスポーツです。だからこそ、思い入れも強い。上田さんが強かった時期をずっと見ていた時、単純にアスリートとして、強い競技者だという印象を受けました。そんな彼女が、今苦しい思いをして、どんな思いで戦っているのか、今回の映像で拾えたらといいなとも思います」。
アスリートにとって、逆境は糧になるか? という質問を投げてみた。武井は冷静に「逆境も、勝っている時も、日常の時間も、アスリートの生活にとっては全部が糧になると、僕は思っています」とキッパリ断言する。「でも、アスリートもそれぞれ性格が違うし、ほめられて伸びる人も、ダメだと言われて奮起する人もいる。千変万化、十人十色でみんな違う。ただ、僕は24時間全部使って成長したいと思っているので」。
とはいえ、彼も以前はそう思えなかったそうだ。「学生時代は毎回試合に負けては、悔しいと泣いていました。どんなことでも糧になると思った時に、それらが糧に変わるのかもしれない。でも、それって、自分の経験からしか語れないんです」。
アスリートについては「しんどい商売ですよ」と、本音も。「でも、こんなに楽しい商売ないんですけど。今、夜中に西麻布とか六本木とか坂道走っていますが、なんでこんなにしんどい思いをするのかなって思ったりもします。それは、こういうふうにやれば、間違いなく強くなれるってことがわかっているからやれているんです。でも、やっても結果が出なければ、すごくしんどいんです」。
また、武井自身は「僕は今、人生で生きてきた中で一番忙しいけど、トレーニングは上手くいっています」という絶好調状態のようだ。「陸上で引退して以来、今が一番ポテンシャルが高い状態です。僕は40歳ですが、上田さんなんてまだ若いんだから、どこにでも出口もあれば、新しい入り口もある。もしかしたら、前よりも強くなるターニングポイントにあるのかもしれないし。とても興味深い生命体って感じです。もう一発爆発してほしいです」と、上田に心からのエールを送った。武井が、上田桃子のドキュメンタリーに、どんなスーパーアグレッシブなナレーションを吹き込むのか、今から楽しみだ。