石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下、JOGMEC)は12日、南アフリカ共和国ブッシュフェルド地域北部で、カナダのプラチナム・グループ・メタルズ社と共同で実施している白金族プロジェクトにおいて、資源量の再評価を行い、プラチナ、パラジウム、金の合計で約545トンへの金属量の拡大を確認したと発表した。
白金族プロジェクトの対象地域は、南アフリカ共和国の首都プレトリアの北北東約270キロメートルにあるウォーターバーグ地域。白金族鉱山地帯であるブッシュフェルド地域の北端に位置する。
ウォーターバーグ地域には、これまで白金族鉱床が存在するブッシュフェルド岩体が潜在していないと考えられていたため、積極的な調査が行われていなかったが、JOGMECは同地域の有望性を見出し、2009年度に同探鉱プロジェクトに参入。2011年11月、ブッシュフェルド岩体の存在を初めて確認するとともに、同岩体中に白金族鉱床を発見した。その後のボーリング調査により、2012年9月に初めて予測鉱物資源量として合計約205トンの金属量を報告し、2013年4月には315トンの金属量に更新した。
この白金族鉱床の広がりを確認するため、引き続きボーリング調査を行った結果、既存鉱床の北部および東部への延伸を発見。予測鉱物資源量を再計算したところ、プラチナ、パラジウム、金の金属量の合計は約545トンに拡大したという。このようなワールドクラスの規模を有する白金族鉱床を発見したのは、我が国の資源関連組織として初めての事例という。
予測鉱物資源量は、プラチナ含有量が163.3トン、パラジウム含有量が328.4トン、金含有量が53.3トン。現在、南アフリカのエンジニアリング会社により予備的経済評価(PEA:Preliminary Economic Assessment)が行われており、採掘法、選鉱法、社会・環境対策、経済性などの初期的評価結果が12月にまとめられる予定。
JOGMECは、同プロジェクトについて、4年間で320万米ドルの調査費用を拠出することで、37%の権益を獲得することができる契約を締結。調査結果が良好な場合には、優先的に日本企業に引継ぐ条件が設定されており、今年度内に国内の民間企業に競争入札を通じて譲渡する意向を示している。同法人は、今後も国内企業が直接関与する金属鉱山開発の促進に貢献していくという。