映画『タイタニック』(1997年)、『ターミネーター』シリーズで知られ、『アバター』の続編を制作中のジェームズ・キャメロン監督が、現在公開中のCGアニメーション映画『キャプテンハーロック』を鑑賞し、再び大絶賛している。

がっちりと握手を交わした荒牧伸志監督とジェームズ・キャメロン監督

今年春に『キャプテンハーロック』の2D版を鑑賞し、「空前の出来、もはやこれは伝説だ」と評したことで話題となったキャメロン監督だが、その際に「3Dがあがったらすぐに見せてほしい!」と試写を熱望していたという。9月7日に、日本で初日舞台あいさつを終えた荒牧伸志監督はすぐに渡米し、キャメロン監督のスタジオを訪問。初となる2人の顔を合わせが実現することになった。

実は初対面でありながら、古くから互いにその存在を認識していたという2人。キャメロン監督の隣に座って試写を見ていた荒牧監督は「ちゃんと見ているかな~」と終始気になっていたようだが、キャメロン監督は終了後すぐに荒牧監督へ手を差し出し「素晴らしい。Congratulation。」と絶賛。面と向かって祝福を受けた荒巻監督は、感無量の様子だったという。

試写を終えてキャメロン監督は『キャプテンハーロック』の出来を次のような言葉で称賛し、映画の興奮を伝えている。

"Visually poetic" 詩のような映像
"Majestic" 荘厳な作品
"Epic in every sense" すべてが勇壮で叙事詩的
"Emotionally compelling" 感情が揺さぶり起こされる
"Its style and difference are its strength" このスタイルと特異性がこの映画の最大の強み

と話したキャメロン監督は、現在『アバター』の制作にも携わっている「Lightstorm Entertainment」(キャメロン監督の製作会社)のクリエイティブチームやエグゼクティブにも『キャプテンハーロック』を見るよう薦め、荒巻監督とがっちりと握手を交わした。

また、その際に東映アニメーション側から、海外版へのオファーを伝えたところ、キャメロン監督は「電話しとくよ」と笑顔で即答。荒牧監督が「何か手伝えることがあれば何でも言ってほしい」と申し出たところ、「いや、手伝いたいのはむしろ僕の方だ」とお互いにリスペクトし、日米を代表する映像派監督の新たなコラボレーションを予感させている。

本作の池澤良幸プロデューサーは「荒牧監督や海外セールス&マーケティングチームから、キャメロン監督がとても気に入り、インスピレーションを刺激する作品だと高評いただき、そして『ハーロックは何度も見るべき映画だ』と語っていただき、大変うれしく思っています」と喜びをあらわにし、「荒牧監督もキャメロン監督との時間を堪能されたようで、まるで子供のようにはしゃいでいる写真を送ってきてくれました。まだ具体的なことはこれからですが、『ハーロック』の海外展開に関しても、さまざまなお話をさせていただいており、今後の展開にご期待いただければと思います」と期待を寄せている。

現時点で詳細は明かされていないが、現在『キャプテンハーロック』には、78の国と地域から公開オファーが届いており、随時契約締結が進んでいるという。第70回「ベネチア国際映画祭」では、10分間にわたるスタンディングオベーションを浴び、原作の松本零士氏も同映画祭で、「新しい船出が始まりました。この作品(に込められたメッセージ)は、次の者に繋ぎたいという気持ち。新しい航海時代です。3Dはリアル感がありますね。作ったみなさんは大変だったけれど、これからは次第に家庭のテレビも何もかも3Dになる時代ですから、それの新しいスタートラインですね」と確かな手応えを話していた。