JR東日本、JR東日本ステーションリテイリング、東日本鉄道文化財団により、再開発が進められた新商業施設「マーチエキュート神田万世橋」が、14日にオープンする。12日には同施設の内覧会が実施された。
「マーチエキュート神田万世橋」は、中央線神田~御茶ノ水間の旧万世橋駅遺構と一体化した商業施設。内覧会では、JR東日本ステーションリテイリング代表取締役社長、三井剛氏が施設概要を説明した。「9月14日、かつて旧万世橋駅、その後の交通博物館があったこの地、神田須田町に、『マーチエキュート神田万世橋』が『再生』します」と三井氏。万世橋駅開業から100年にわたる歴史・文化を大事にし、残された遺構を最大限に活用した施設として「再生」させたいとの思いがあるという。
同施設の開発コンセプトは「万世橋駅サロン」。鉄道遺構の魅力を生かしつつ、神田川に面した「ノースコリドー」、JR神田万世橋ビルに面した「サウスコリドー」に、趣味性・嗜好性の高い常設ショップと期間限定ショップがそろう。「100年前からの歴史的価値と、これから提供する新しい価値が融合した、唯一無二のサロンになってほしい」と三井氏は述べた。
「マーチエキュート神田万世橋」では、旧万世橋駅(1912年開業、1943年休止)・交通博物館(1936年に鉄道博物館として開業、2006年閉館)時代の遺構も見ることができる。中でも「旧万世橋駅 1912階段」は、駅休止以来、じつに70年ぶりの公開だという。「旧万世橋駅 1935階段」も、交通博物館閉館前以来の公開となるほか、初代駅舎の基礎の一部が保存され、「遺構サークル」として公開されている。
ホーム部分は「旧万世橋駅 2013プラットホーム」として整備され、展望カフェと展望デッキを設置。展望カフェはコマンドNプロデュースのカフェ&和酒「N3331」としてオープンし、「『食』を起点としたコミュニティアートの拠点づくり」を進めるという。
展望デッキでは、目の前を中央快速線の電車が通過し、周辺を走る中央・総武緩行線や京浜東北線・山手線などの走行シーンも楽しめる。秋葉原駅から徒歩4分、神田駅・御茶ノ水駅からも徒歩6分と近距離にあり、新たな「鉄道ビュースポット」としても注目を集めそうだ。なお、展望デッキでのフラッシュ撮影と三脚・脚立の使用は禁止されている。
「マーチエキュート神田万世橋」は9月14日11時オープン。営業時間は物販が11:00~21:00(日曜・祝日は20:00まで)、飲食・カフェが11:00~23:00(日曜・祝日は21:00まで)。遺構階段とオープンデッキは飲食・カフェ営業時間より30分早く終了となる。