全国10カ所で順次開催されている「ニコニコ町会議全国ツアー2013」の第7回目が、9月7日に北海道室蘭市で開催された。今回の町会議は地元の秋祭り「スワンフェスタ2013」にて併催されたもので、来場者は例年の6万人(初日のみ)に対して7万人の動員を記録。さらに、イベントの模様はニコニコ生放送の3番組で中継され、全番組合計の視聴者は約19万人にのぼった。
「ニコニコ町会議」は、4月27日・28日に幕張メッセで開催された巨大イベント「ニコニコ超会議2」の地方版として、全国各地で開催される移動式文化祭。第7回の開催地となった北海道室蘭市は、鉄鋼業を中心に発展してきた重化学工業都市で、室蘭という地名は、「モ・ルエラニ(小さな下り坂)」というアイヌ語に由来しているという。
オープニングでは、スワンフェスタ実行委員長の白川氏に加えて、室蘭市長の青山氏がビデオレターで登場。「このように開催することができてうれしく思っております。私自身、ニコニコ出演が初ですので緊張しながら楽しんでおります。最後までどうぞ楽しんでいただければ」とあいさつした。しかし、真面目なコメントに反して、青山市長と一緒にビデオに映っていたクジラの着ぐるみからは黒いタイツに包まれた脚が生えており、ニコ生ではこれにコメントで総ツッコミが入るなど、ニコニコ動画らしい笑いに包まれたオープニングとなった。
その後はメインステージで「のど自慢」や「踊ってみた発表」、「町自慢」に「あるあるネタ」など、会場に集った地元ユーザーが主役となる企画が次々に実施され、大きな盛り上がりを見せていた。
また、ここでは「歌ってみた」からタイツォン、アリレム、湯毛、「演奏してみた」からてっぺい先生、「踊ってみた」から人気ダンスユニット・アルスマグナらが登場。ボカロ曲、アニソン、J-POPなどニコニコ動画で人気の楽曲を披露して、会場から大きな拍手と歓声を集めていた。中でもプロヴァイオリニストでもあるてっぺい先生は「ルカルカ★ナイトフィーバー」や「ナイト・オブ・ナイツ」といった人気楽曲をヴァイオリンで見事に演奏し、さらにグリッサンド奏法でパトカーや救急車のサイレンの音を鳴らすといった小技を披露。これには会場とニコ生から驚きの声が上がっていた。
続いて町自慢のコーナーでは地元の有志がステージに上がり、ボルトで作られたボルト人形の"ボルタ"や、室蘭の良い所を伝えるための自作カルタ、室蘭水族館で生まれたミズクラゲなど、名産品などをアピール。さらに「あるあるネタ」コーナーでは、「寿司ネタの海老がボイルなのは許せない。生が当たり前!」「冬場は二重窓の間に飲み物を置いて自然の冷蔵庫として扱う」といった北海道・室蘭ならではの「あるあるネタ」が発表され、会場とニコ生コメントでは笑い声が起きていた。
一方で、会場の別の場所では、ボルトやナットを利用して室蘭の美しい工業地帯を再現しようという試みが進んでいた。会場に集まった参加者が少しずつボルトやナットを貼り付けて円形に形作られたジオラマは、まさに室蘭の工業地帯そのもの。MCのドグマ風見もこれに参加し、最終的にはボルトとナットだけで作られた工業地帯のジオラマが見事に完成した。
エンディングでは、観光協会事務局長の中島氏が登壇し、「天気予報は雨でしたが、皆さんの熱気で見事に晴れました。皆さんのおかげでイベントが盛り上がりました。ありがとうございました」とあいさつ。また、次回9月16日開催の「町会議 in 東京・檜原村」に"ラスボス"こと小林幸子が出演することが発表されたほか、ラストには恒例となったニコニコ盆踊りが実施され、会場に集まった参加者と出演ユーザー、そしてニコ生視聴者もコメントで参加し、最後まで大盛り上がりとなっていた。