kmホールディングスのグループ会社である国際自動車はこのほど、イデアクロスと共同で、「タクシー忘れ物防止システム」を開発したと発表した。9月中旬から実車に搭載した実証実験を共同で開始し、2013年度中にイデアクロスが製造した忘れ物防止機器の自社全車両への導入を実現する考えだ。

車載カメラのカバーする範囲

タクシー車内の忘れ物は増加傾向にあり、中でもスマートフォンは薄く滑りやすい形状のため、忘れ物が急増しているという。スマートフォンは個人情報が保存されている上に、クレジットカード、電子マネー決済、個人認証などの機能も搭載されているため、紛失すると一大事となることが多い。タクシー会社はこうした忘れ物に対し、持ち主の本人確認や返還などに苦慮しているのが実情だ。

今回開発されたシステムは、タクシーの運転席と助手席の下、天井、トランク内に設置した4台のカメラで、乗客の乗車前と降車後に撮影された画像分析により、忘れ物を検知してドライバーにアラームで知らせるしくみ。タクシーでの忘れ物は後部座席での財布や携帯電話など小物が多くを占めるが、トランクにカバンなどを忘れることも珍しくなく、今回のシステムではトランク内の忘れ物も検知することが可能だという。

システムで使用するカメラは、プライバシー保護の観点から、乗客の顔などは認識できないよう配慮がなされている。kmグループでは、全車での導入によってその効果と価値を証明し、全国のタクシー車両への導入を推進することで、タクシー業界の評価向上と成長戦略の一翼を担いたいとしている。