iPhone 5の後継機種となる次期iPhoneは、9月10日(現地時間)に発表されることが確実視されており、期待が高まっている。また、9月6日には複数の報道機関より「NTTドコモがiPhoneを販売する」と報じられ、次期iPhoneが主要3キャリアすべてから販売される可能性がある中、「どこのキャリアからiPhoneを購入するのが良いか?」ということにも注目が集まっている。

MMD研究所は9月6日、次期iPhoneの購入意向や購入希望キャリアについて、携帯電話・スマートフォン利用者に聞いた調査結果を発表した。調査結果をまとめると、次期iPhoneを購入する意向のあるユーザーは全体の58.4%となったほか、次期iPhoneを購入したいキャリアはソフトバンクが37.9%、KDDIが30.7%となり、ソフトバンクがKDDIを上回った。

同調査は、ドコモ、KDDI、ソフトバンク各社の携帯電話・スマートフォン利用者を対象に実施。期間は8月30日から9月2日までの4日間で、合計1800人(各キャリア600人)からの有効回答を得た。

まず、次期iPhoneの購入意向について聞いた質問では、「購入したい」が23.6%、「やや購入したい」が34.8%となり、全体の58.4%が次期iPhoneの購入を前向きに検討していることがわかった。また、購入意向者を利用キャリア別で見ると、ドコモ利用者が55.3%、KDDI利用者が57.0%、ソフトバンク利用者が62.8%だった。調査が行われた時点では、今回の「ドコモがiPhoneを販売する」という報道がなされていなかったものの、ドコモ利用者の過半数が次期iPhoneの購入意向がある点が興味深い。

次期iPhoneの購入意向

利用キャリア別の次期iPhoneの購入意向

続いて、次期iPhoneの購入意向者を対象に、購入希望キャリアについて聞いたところ、ソフトバンク版が37.9%、KDDI版が30.7%となり、残りの31.4%は「決めていない」と回答した。なお、先述の通り、調査時点ではドコモからはiPhoneが販売されないと見られていたため、同調査ではソフトバンク版とKDDI版のどちらの次期iPhoneを購入したいかを聞いており、ドコモ版は選択肢に含まれていない。

次期iPhone購入希望キャリア(上)とauまたはソフトバンクを選択した人限定の同質問の回答

また、購入希望キャリアについて回答者が利用しているキャリア別で見ると、ドコモ利用者はKDDI版が44.1%、ソフトバンク版が55.9%、KDDI利用者はKDDI版が89.4%、ソフトバンク版が10.6%となり、ソフトバンク利用者はKDDI版が5.3%、ソフトバンク版が94.7%だった。この結果から、すでにiPhoneを販売しているKDDI、ソフトバンクの利用者は、自身が現在利用しているキャリアでの購入意向が強く、ドコモ利用者は、ソフトバンク版の購入意向が高いことがわかる。

そのほか、次期iPhoneの購入意向者に購入を検討している理由を聞いた質問では、「iPhoneに興味があるから」(59.3%)、「操作性が良さそうだから」(33.2%)、「更新のタイミングだから」(32.3%)という回答が上位に挙げられた。

次期iPhoneの購入希望理由

また、同調査では、ソフトバンク版とKDDI版のiPhone 5を利用している回答者を対象として、iPhone 5の満足度や利用キャリア別の満足度を尋ねた。iPhone 5の満足度については、「満足」が23.8%、「やや満足」が49.7%という結果となり、利用者の70%以上が満足していることがわかった。

iPhone 5利用者の満足度

利用キャリア別の満足度では、総合的な満足度はKDDI版が72.0%、ソフトバンク版が74.5%だった。また、「端末代金」「通信速度」など個別の満足度について尋ねたところ、顕著にキャリアの差が出たのは「通信エリア」「通信のつながりやすさ/安定度」「通信速度」で、ソフトバンク版の満足度がKDDI版を10ポイント以上上回る結果となった。

iPhone 5利用者のキャリア別満足度

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今回のMMD研究所による調査では、次期iPhoneの購入を検討している人が携帯電話・スマートフォン利用者の58.4%に上り、次期iPhoneの注目度の高さを示す結果となった。また、次期iPhoneを購入したいキャリアとしては、ソフトバンクが37.9%、KDDIが30.7%となり、ソフトバンクがKDDIを上回った。なお、本稿でも紹介した通り、調査の実施後に複数の報道機関より「ドコモがiPhoneを販売する」と報じられたため、最新の状況は調査時点から変化している可能性がある。

調査では、自身が現在利用しているキャリアでの次期iPhoneの購入意向が高いことも明らかになったが、今後の焦点となるのは、どのキャリアの次期iPhoneを購入するべきかという点だ。ドコモが次期iPhoneを販売することも予想されるが、2011年にKDDIがiPhone 4Sで初めてiPhoneを販売した際には、キャリアメールのプッシュ受信やMMS、FaceTimeなど一部機能が当初利用できなかった例もあり、新規参入ならではの不安は拭えない。その点、2008年のiPhone 3GからiPhoneを販売しているソフトバンクは、実績と経験で優位に立っていると言える。

また、次期iPhoneの発表後に各社が打ち出すであろう料金プランや施策も、キャリアを選択する際の検討材料として注目が集まる。仮にドコモが参入し、主要3キャリアが揃った場合に、各社がどんな施策を打ち出し、他社との違いをアピールしていくのか? 2012年のiPhone 5発売直前には、ソフトバンクの孫正義社長がテザリング解禁の緊急会見を開いて話題となったが、今回も各社の次期iPhoneの取り組みから目が離せない。