米Appleが9月10日(米国時間)に開催するメディア向けイベントだが、同イベントにおいて新型iPhoneが公開されることは「間違いない」と言ってよさそうだ。今回はコンシューマーモデルと噂されている5Cの存在や、メディア報道で注目されているNTTドコモの参入の行方、プラチナ帯域に対応かも? と様々な情報が飛び交っている。

そんな中、4人のiPhoneマスターによる大予想座談会「Macお宝鑑定団 Presents iPhone5S 発売直前大予想スペシャル」が、9月8日にニコ生で放送された。メンバーはAppleCLIPパーソナリティの佐藤豊彦氏を進行役に、Appleに詳しいITジャーナリストの林信行氏、人気情報サイト「Macお宝鑑定団」主宰の山田昇氏、「Mac Fan」編集長の小林正明氏。iPhoneのコアな知識と情報を持つ4人が語り合った大胆予測、その模様をお送りしよう。

座談会は茶の間で雑談するようなアットホームな雰囲気で開催。左から佐藤豊彦氏、山田昇氏、林信行氏、小林正明氏

4人が新型iPhoneの予測を話す前に、ニコ生の視聴者に「新型iPhone、どれを買うか」をアンケート。視聴者にヘビーユーザーが多いせいか、iPhone 5Cが欲しいという人はかなりの少数派に

ハードウェアの噂、IGZO液晶搭載が難しいワケとは?

これまでに発売された実機を出してiPhoneの歴史を追いつつ、いよいよ4人による新iPhoneの予想がスタート。まずは「ハードウェアの噂」から。

ハードウェアの噂、特に指紋認証とIGZO液晶に注目が集まった

サファイアガラスやCPUなど興味深い噂が並んだが、山田氏は「アリなのは指紋認証ですね」とコメント。林氏は「NFC機能、FeliCaはついてほしいなぁ」と自身の希望に述べた。そんな中、小林氏が予測したのはなんとコントローラーの発売。というのも、App Storeにおいてソーシャルゲームが人気なため、純正のコントローラーが出るかもしれないという。また、一部報道で噂されているシャープのIGZO液晶採用について、山田氏はタッチパネルメーカー大手の台湾TPKが自社特許をアップル社に渡して受注を得たという例を挙げて、「日本のメーカーが技術を渡してまで受注をとるかどうか」と難しげな表情だった。

iOSの噂は、iOS7の発表でもアナウンスされた内容が多い

小林氏はMacFanの記事を出しつつiPhone5Sの解説と予測を話した

さて、いよいよ話題になっている「国内サービス、キャリア系の噂」について。ドコモ参入の件がメディアで大きく報じられているが、iPhoneニューモデル、日本国内でどのように提供されるのか気になる方も多いだろう。

いよいよ予測は核心に。日本国内でどのように提供されるのか気になる方も多いだろう

ニュースでのドコモ報道について、山田氏は「『関係者筋から明らかになった』という表記がポイント」だという。実はウォールストリートジャーナルでもチャイナモバイル参入のニュースが報じられた際に同じように『関係者筋から』と書かれていたので、ドコモとチャイナモバイル2カ所で関係者が同じようなリークするのは不自然では? 広告効果を狙ってあえて流した可能性がある、と山田氏は語った。

iPhone5CはiMacのような立ち位置になる?

そして、今度登場すると言われている「iPhone5C」の噂へ……と思ったら、なんと6色の実機が登場? これは実は秋葉原で売っていたモックアップ(模型)とのこと。

iPhone5Cと背面パーツ登場! ……といっても、これはあくまでモック。実物ではありません

はたして5Sに比べて5Cの性能はどうなるのだろうか。山田氏は「5CはiMacのような位置づけになるかと思う」と予測。つまり、iMacはこれまでのアップル社のパソコンのラインナップとはガラリと違っていたが、そのポップさにひかれたユーザーが多く、結果として今のMac人気につながっていったことを差している。もしかしたら、5Cの発売でiPhone人気の裾野がひろがっていく可能性はありそうだ。

iPhone5Sがもしプラチナ帯域800MHzのLTEに対応したらauが有利?

話はユーザーの使い勝手において重要なポイントになるプラチナ帯域のLTE対応へ。小林氏はフリップを出し「800~900MHzの帯域のLTEに対応したら電波の性質上、遠くまで電波が届き、建物の中でもつながりやすくなる」と説明。次のiPhoneからハード的に対応してつながりやすくなる可能性はある、と。

日本のプラチナ帯域のLTE事情とメリットについて説明

また、小林氏はドコモとKDDIが800MHz帯、ソフトバンクが900MHzを持っていることを解説したが、ただし次のiPhoneがプラチナ帯域のLTEに対応しているかどうかは「わからない」と明言を避けている。とはいえ、ソフトバンクはLTE化がまだ先であり、ドコモとauではauの方が基地局の数で勝るので、もしiPhoneが対応したら一気にauが通信において優位に立つのでは、という展開も考えられそうだ。先日のKDDI発表会で田中孝司社長が800MHz帯のLTEの存在をアピールしていたのも、もしかしたらiPhone5Sの発売を見据えてなのだろうか? 期待が持てるところである。

まもなく発表の新型iPhone、専門家も予測に苦戦?

さて、キャリアと通信についてまで噂したところで時間が。最後に各出演者の予想をホワイトボードに書いて出した。佐藤氏は5Sがリッチフォンで、5Cがポップフォンという位置づけになるのでは? 5Sは256GBの容量になってほしい、と語る。山田氏は「iPhone 5CはMNPまたは新規2年縛りなし」とのこと。縛りをなくすことで、iPhoneユーザーが増えるのでは? と予測している。そして、残念ながら林氏と小林氏はノーコメント。まもなく発表という時においても専門家でも的確な予測が難しいのがiPhoneだ。はたして、今度のiPhoneはどうなるのか? 10日(日本時間では11日)の発表をお楽しみに!

座談会の後に再度「新型iPhone、どれを買うか」について視聴者アンケート。「新iPhoneにはしない」が減って5Sを買う人が増えた結果に

なお、同イベントの模様は、MACお宝鑑定団のYouTubeページで確認できる