従来型の携帯電話(以下、ケータイ)からスマートフォン(以下、スマホ)に買い替えるユーザーが増えているのはもはや言うまでもないが、学生など若者たちの間で"必須"となったコニュニケーションアプリ「LINE」が幅広い層に普及しつつあるのをご存知だろうか。リサーチバンクの「LINEに関する調査」によると、若者層だけでなく50代以上の男性の42%、女性は53.0%が実際にLINEを使っているという。

このように幅広い層に急速に普及しているスマホやLINEだが、はじめて使う人にとっては、利用に踏み切るには高いハードルがあることも。スマホを試しに使える場がない、教えてくれる人がいない、どういったアプリを入れればいいのかわからない、という問題で購入や利用をあきらめている方も多いだろう。

和気あいあいとして楽しく受講できる雰囲気の教室

今回、筆者は小学館アカデミーが主催するドコモスマートフォンの無料体験会に参加してきた。「スマホ事始めから、LINEまで」をテーマにしたイベントで、スマホ操作の基礎を覚えつつLINEの楽しさを体験することができるという。

なお、NTTドコモでもスマートフォンやタブレットの操作方法や機能を紹介する「電話教室」を開催している。この電話教室は、2012年度には延べ75万人以上が参加しているという。

今回の小学館アカデミー主催のドコモスマートフォン無料体験会の参加者は15人ほどで、夫婦で受講している方も。生徒ひとりひとりが受講用のパナソニック製の「ELUGA」を手にして、講座がスタートした。

この体験会の参加者は15人ほどで、会が進むにつれアットホームな雰囲気に

夫婦で参加して一緒に画面を見ながら操作している方も

まずはボタンの位置や、タップ、スワイプ、ピンチといったスマホの基本動作を学ぶ。実際にスマホ画面を映したモニターを使って講師が説明。スマホではケータイと違って、指先で画面を操作できることに驚きを感じた受講者が多かった。また、初めてスマホを使う参加者が多く、講座が始まったばかりのころは緊張気味にスマホを操作していた人もいたが、講師の楽しく難しい用語を極力使わないわかりやすい説明で、気が付くと和気あいあいとした雰囲気に。また、生徒1~2人に1人、参加者のそばで操作を教える補助の先生もいて、参加者が気軽にわからないところを聞くことができるため、講座にありがちな堅苦しい雰囲気はなかった。

教室内では「LINE」グループトーク機能の実践も

ネットの検索機能の使い方やドコモのdメニューの説明と、操作やスマホの基礎を一通り紹介した後、いよいよLINEを実際に利用してみる流れに。受講用のスマホにあらかじめ作ったLINEアカウントを使い、実際にメッセージの送信の仕方やスタンプの使い方を体験。隣の人とメッセージを送りあい、スタンプ送信では、楽しそうに様々なスタンプを選択している受講者も多く、LINEの魅力を満喫している様子がうかがえた。

その後、4人1組で部屋を作って実際にグループトークも体験。講師は、「この機能では、仲のいい友達に食事のお誘いをする時に一斉に連絡できますよ」と具体的な使い方を交えつつ、操作方法を説明していたのが印象的だ。講座が始まった時はスマホの操作に慣れていなかった参加者も、グループトークのころには気軽にスタンプやメッセージを送信していた。

冒頭で紹介したリサーチバンク調査結果の通り、LINEは幅広い層に受け入れられている。スタンプだけでもコミュニケーションできることや、家にいながら複数の友達と茶飲み話的なトークができる点が、若者だけでなく幅広い層にウケているのだ。事件報道でLINEの名前が出てくるのを見て、「LINEは怖い」と思う方も少なからずいるが、今回の講習のように実際に体験してその楽しさを肌で感じることで、LINE本来の楽しさを知ることができるのではないだろうか。

スマホの画面を映したモニターを使ってLINEの具体的な操作の仕方を説明

操作でわからないことがあっても、補助の先生がそばで教えてくれるのがフレンドリーなところ

スマホ初心者に必要なのは「場」と「きっかけ」

あっという間に予定の受講時間1時間が終わったが、参加者は生き生きとした表情をしていた。受講者に話を聞いてみたところ、まず「ケータイよりスマホの方がいい」という意見が聞かれた。その理由として、ケータイよりできることが増えるのはもちろん、ピンチで画面拡大・縮小がすぐに行えて見やすいということだという。中には「スマホが使えたらカッコいいと思う。友達にも自慢できるし」という方も。

今回の受講者15人中、スマホを持っている人はたった4人。初めての状態で受講する方が圧倒的に多かったのだが、「試しにスマホを使えてよかったと思う」という意見の方もいた。もちろん、体験したからすぐにスマホを契約するとは限らないかもしれないが、気軽に楽しくスマホを試すことができる場というのが求められているのではないだろうか。今回のように「場」「きっかけ」を作るというのも大切なことだと思う。もし周囲にスマホの利用に踏み切れない方がいたら、こういった体験会や講習を進めてみてはいかがだろうか?

メモを片手に講師の説明を聞きながら、スマホを操作する熱心な方もいた

ユーモアを交えた講師の説明とアットホームな雰囲気に笑顔になる参加者も