内閣府は9日、2013年8月の景気ウォッチャー調査の結果を発表した。それによると、8月の現状判断DIは前月比1.1ポイント減の51.2となり、5カ月連続で低下した。雇用関連のDIは上昇したものの、家計動向関連、企業動向関連のDIが低下したことが要因。なお、横ばいを示す50は7カ月連続で上回った。
家計動向関連DIは前月比1.3ポイント減の49.3。業種別に見ると、小売関連が同1.0ポイント減の49.0、飲食関連が同0.1ポイント減の45.9、サービス関連が同1.7ポイント減の49.6、住宅関連が同3.2ポイント減の55.2となった。高額品や新型車の販売が好調だった一方、猛暑や豪雨により、コンビニエンスストアやサービス関連で客足が減少したことなどが要因と考えられる。
企業動向関連DIは前月比1.2ポイント減の53.3。業種別では、製造業が同2.3ポイント減の51.6、非製造業が同0.7ポイント減の54.6となった。夏休みの影響もあり、一部の企業で受注や生産の増加に一服感がみられたことなどが影響した。
雇用関連DIは前月比0.6ポイント増の58.7。建設業等で求人が増加したことなどを反映した。
各地域の動向を見ると、全国11地域中、現状判断DIが前月より低下したのは8地域だったのに対し、上昇したのは3地域にとどまった。最も低下幅が大きかったのは中国で前月比2.4ポイント減。一方、最も上昇幅が大きかったのは沖縄で同7.4ポイント増となった。
2~3カ月先の景気の先行きに対する判断DIは前月比2.4ポイント減の51.2となり、2カ月ぶりに低下した。政策効果に加え、消費税引上げ前の駆込み需要に対する期待感が見られるものの、電気料金などの上昇や、消費税引上げによるマインド低下への懸念などから、家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の全DIが低下した。なお、横ばいを示す50は9カ月連続で上回った。
家計動向関連DIは前月比2.4ポイント減の49.6、企業動向関連DIは前月比2.7ポイント減の53.4、雇用関連DIは前月比1.6ポイント減の57.0となった。
内閣府は、同調査で示された景気ウォッチャーの見方を、前月までの「景気は、緩やかに持ち直している」に据え置いた。
同調査は、家計動向、企業動向、雇用など、代表的な経済活動項目の動向を敏感に反映する現象を観察できる業種の適当な職種の中から選定した2,050人を対象としている。