映画『セックスと嘘とビデオテープ』(1989年)で史上最年少パルムドールを受賞し、2000年『トラフィック』でアカデミー賞監督賞を獲得したスティーヴン・ソダーバーグ監督の最後の劇場作品『サイド・エフェクト』が公開された。
"一粒の薬の副作用が巻き起こした殺人"、というセンセーショナルな事件の裏側に仕組まれた陰謀と真実を暴く心理サスペンスである、この物語の大きなテーマは『うつ』という病。自身も今年の4月に双極性障害(躁うつ病)を患い入院し、同作では重要人物であるシーバート博士役を演じたキャサリン・ゼタ=ジョーンズに話を聞いた。
――この作品はスティーヴン・ソダーバーグ監督の最後の劇場作品となるわけですが、監督とタッグを組むのは久しぶりですね。
ええ。映画『オーシャンズ12』(2004年)以来ね。そしてもちろん、一番最初は『トラフィック』(2000年)だった。いまだにとても誇りに思う作品よ。ソダーバーグ監督と3回も仕事が出来るのはとても光栄だわ。彼はとても素晴らしい監督よ。とてもおもしろいし、彼の映画の撮り方もとても親密なものだし、彼の脚本は毎回とても頭がキレている。すばらしいわ。
――なるほど。
私はスティーヴン・ソダーバーグの熱狂的なファンよ。これは本当よ。彼は一緒に働く人に敬意を表すし、彼が創るファミリーはとてもとても素晴しいものよ。これが私の三度目でとてもうれしいと思ってる。
――『トラフィック』で一緒に仕事をしたときから、監督はどこか変わったりしましたか?
いいえ。全く。彼は同じ人よ。ほんとうに、彼は全く変わってないわね。だけど、明らかに私達の関係はもっと深くなったわ、時間を経て。彼から映画に出ないかって電話がきたら、もう脚本なんて関係なしに「はい」って答えるわ。
――今回の脚本は現代の問題を扱ったものだと感じました。
そうね。とても現代の問題に沿っているわ。そしてこの映画はとても引き込まれるし、歪みや、陰謀が多く散りばめられている。やっと謎が解けたと思ったら、またなにかが起こる。こんなこと予想できなかったわ!って。
――仕上がった作品を観て、どのような印象を持ちましたか?
これはとても頭の良い映画よ。観ている人の当然の知識を超えるわ。そして威圧することなく観客を考えさせるの。とてもバランスの取れた作品だわ。それにセクシーだし。心もこもっている。とても興味深い作品よ。
――話は変わりますが、最後に日本にいらしたのはいつ頃のことでしょう。
7年前くらいじゃないかしら。確か『レジェンド・オブ・ゾロ』(2005年)のプロモーションで行ったと思う。旅に出ると時間や自分のいる場所がわからなくなるけど、日本は好きよ。だからぜひまた行きたいわ。
――今度、もしまた日本に来るとしたら何がやってみたいですか?
もっと東京以外のところも見てみたいわ。仕事で行くと終わった次の瞬間にはもう飛行機の中にいて、せっかく日本に行ったのになにも見ていないことに驚くの。もっと文化を感じてみたいし、今度行く機会があれば仕事の前後どちらかに時間を作って、もっと田舎の方に行って桜を見たりしてみたいわ。
――ありがとうございました。
映画『サイド・エフェクト』は、TOHOシネマズみゆき座ほかにて全国公開中。
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