自分にはこれといった趣味がない……それが今の悩みだ。独身時代から無趣味な人間だったのだが、特に結婚してからというもの、平日は仕事に忙殺され、休日は家族サービスに終始する日々が続いており、文化的な生活とはかなり遠ざかった毎日を送っている。
しかし、子どもが小学生になり徐々に手が掛からなくなったせいか、ここ最近「趣味がほしいっ!!」と切実に感じるようになってきた。それに、自慢できる特技が1つもないままでは、いつか子どもに見下されてしまうかもしれないではないか……!! そんな焦燥感に駆られた可哀想な私を見かねて、とある独身貴族の同僚が使わなくなったエレキギターを譲ってくれることになった。
ギターか、悪くない趣味だぜ……。格好付けてつぶやく私に、妻からは「その歳で自分探しかよ…」などと厳しいツッコミが入ったが、構わず私はロックンロールすることにした。
エレキギターに目覚めた私
幼少時代にピアノを習っていた経験はあるが、ギターを弾いたことはない。しかし、どうも自分には音楽の素質があるようで、同僚の簡単なレクチャーを受けただけで、すぐにギターをモノにできた。というか、ドレミファソラシドがなんとか弾けるようになったのだ。これで我が子に魂をこめた「チューリップ」や「きらきら星」なんかを披露できそうである。
また、基本中の基本である「C」や「G」「F」といったコードもマスターした。いくつかのコードを覚えてしまえば、もうこっちのもの。あとはそれらを適当に組み合わせていくだけで、かなり"それっぽく"見えるのだ。革ジャンと革パンツなんかを揃えれば、一人前のロッカーになれそうな勢いである。
しかし、今や我が師となった同僚によると、まずは革ジャン&革パンツよりも「アンプを買え」ということだった。エレキギターはアンプがあってこそ。確かにアンプを通さない"生音"では、いまいち迫力が出ないのだ。とはいえ、自分は妻子を持つ身である。趣味に大きな出費は許されない。本格的に取り組むなら、アンプ以外にもエフェクターやチューナーなど、いろいろな道具が必要になるそうなのだが、我が家の財務大臣である妻がそんな出費を簡単に許す訳がないのだ……。
妻も納得!? 多彩な機能を詰め込んだ小型ギターアンプ
しかし、いろいろと調べていくうちに、エフェクターもチューナーも内蔵された、まさにこれ1台!! 的な小型ギターアンプがあるということが判明した。中でも同僚のイチオシは、ローランドから発売されたばかりの小型ギターアンプ「MICRO CUBE GX」であった。
なんでもこのMICRO CUBE GXには、7種類のアンプと8種類のデジタル・エフェクトが搭載されているのだとか。世界中のプロ・ミュージシャンが愛用する名機「JC-120」を再現したという『JC CLEAN』や、エレキでアコギ風のサウンドを出すことができてしまう『ACOUSTIC SIM』、ハイゲインの歪みがカッコイイ『EXTREME』といった多彩なアンプから1つを選び、好みのエフェクトを掛けるだけで、個性豊かなサウンドが自分のエレキギターで楽しめるようになるという訳だ。
同僚曰く、使用頻度の高いエフェクトの「DELAY」と「REVERB」が独立していることも高ポイントらしい。さらに、日本が誇るローランドだけあって、独自技術「COSM」の採用や高品質のカスタム・スピーカー、音響ノウハウを結集したキャビネットなど、"いい音"へのこだわりが随所に見られるのも頼もしい。もちろん、帰宅後の夜遅くでも気兼ねなく練習できるヘッドホン端子や、音程の調整に必要なチューナー機能を備えている点も見逃せない。
しかも、この製品のすごいところは、付属のACアダプターだけではなく、電池駆動(単3乾電池×6本)にも対応している点である。つまり、ギターの腕前が上がった暁には、アンプとギターを持ち出して、屋外で演奏を披露することもできるのだ。残念ながらストリート・ライブをする度胸はないが、家族ぐるみで付き合いのある友人家族とはバーベキューやキャンプなどによく出掛ける。そんなアウトドア・シーンで音楽が楽しめるなんて、最高ではないか……!!
それに、この製品にはiPhoneやiPadに接続できる端子もあるため、ただのアンプとしてではなく、アウトドア用のスピーカーとしても利用できるのだ。たとえばキャンプ中にiTunesの音楽を流したり、マイクを繋げてカラオケ大会をすることも可能となれば、おそらく私のギターなど聞きたがらない妻も、納得するに違いないっ!!
ちなみに、iOSとの連携でいうと、無料のiPhoneアプリ「CUBE JAM」を使用すれば、好きな曲にあわせたセッションやレコーディング/ミックスダウンができるというのも大きな魅力だ。楽曲の再生スピードを落としたり、中央に定位しているサウンドをカットする機能もあるため、ギター・レッスンに非常に効果的なのである。
これだけの機能を備えていながら、価格は1万3,000円程度とかなり良心的。自分の趣味に使えるのはもちろん、家族のイベントにも大活躍できるのだから、まさに一石二鳥だ。あとは妻の機嫌のいい時を見計らって、許可を得るだけである。