ワコムは4日、新製品発表会を行い、その中で同社のブランド統合とその狙いなどについて説明を行った。
この説明会では、同社取締役兼執行役員 ジャパン・アジアパシフィック統括本部長 小見山茂樹が同社の新たなビジョンやブランド統合の理由について語った後、タブレット営業本部 マーケティング部 ジェネラルマネージャー 岸田茂晴氏が具体的なブランドの構造変化と個別の製品について解説した。
これまで、同社はハードウェアごとにセグメントを区切り、液晶ペンタブレット「Cintiq」シリーズ、プロフェッショナル向けペンタブレット「Intuos」シリーズ、コンシューマー向けデバイスの「Bamboo」シリーズ、というブランド設定を行っていた。
従来のブランド(左)、今後のブランド展開(右)。コンシューマーとクリエイティブ分野の中間に位置していた「Bamboo」ペンタブレットがクリエイティブ分野に統合され、「Intuos」ブランドに変更された |
しかし、スタイラスやメモ用アプリなど、製品の幅が広がっている状況を受け、これからは"顧客ベース"のセグメンテーションへと変更するという。ペンタブレット製品をすべて含む「クリエイティブビジネス」、一般向けのスタイラスやアプリなどの「コンシューマビジネス」、医療分野向けなど「特定業務分野ビジネス」といった3分野に分類。それに伴い、ペンタブレット「Bamboo」シリーズを「Intuos」ブランドに統合した。加えて、Cintiq、Intuosに関してはブランドロゴのデザイン変更も行われた。
まず言及されたのは、8月20日に発表されたOS搭載液晶ペンタブレット「Cintiq Companion」。ノートPCからモバイル環境での作業が主流となっている現代において、プロが外出先で妥協することなくクリエイティブワークを行うために"Cintiqそのものを持ち出したい"という強いニーズがあったことを受けて、同製品が開発されたのだという。
「Cintiq」ブランドには主に「室内」向けの製品と、「外出先」向けの製品という区分け |
Android版の「Cintiq Companion Hybrid」にはペイントソフト「Wacom Creative Canvas」と漫画のネーム制作アプリ「Wacom Manga Canvas」が付属する |
発表会の中では、Android搭載モデル「Cintiq Companion Hybrid」のデモンストレーションが行われ、アプリケーションによる描画データをPSDファイルで書き出し、Windowsマシンにデータを受け渡してPhotoshopで作業を進めるといった一連の流れが披露された。
ペンの太さや色の選択ウインドウにはプレビュー画面が付属し、試し書きをした上で選択することが可能 |
レイヤー機能を搭載 |
PSDファイルでの書き出しができるため、Windowsマシンにデータを渡してPhotoshopで作業を行うことができる |
そして、同日発表されたペンタブレット製品群について解説が行われた。これまでの「Bamboo」がターゲットとしていた絵を"楽しむ"層に向けた製品として「Intuos」を、従来のプロフェッショナル向け製品「Intuos●(番号)」を「Intuos Pro」として展開する。これらに加え、2048レベルの筆圧機能を搭載したiOS向け高性能スタイラス「Intuos Creative Stylus」を加え、厚みを持ったブランド構成を整えた。
新たな「Intuos」ブランドは、エントリーユーザー向けのペンタブレット「Intuos」、プロ向けのペンタブレット「Intuos Pro」、高性能スタイラス「Intuos Creative Stylus」の3つで構成される |
2048レベルの筆圧機能を搭載したiOS向けスタイラス「Intuos Creative Stylus」 |
同スタイラスの対応アプリケーション。筆圧機能やパームリジェクション機能の対応/非対応についても情報が公開された |
最後に、これまでも行われてきた新製品体験会の実施日時・会場を追加したことが発表された。さらに、これ以降行われる体験会にはWindows 8搭載の「Cintiq Companion」も設置されるため、ハイエンド機の使用感を試してみたい人はぜひ体験会に参加してほしい。