ミケランジェロ・ブオナローティ《階段の聖母》1490年頃、大理石 フィレンツェ、カーサ・ブオナローティ所蔵 (C)Associazione Culturale Metamorfosi and Fondazione Casa Buonarroti

国立西洋美術館では6日~11月17日、「システィーナ礼拝堂500年祭記念 ミケランジェロ展―天才の軌跡」を開催する。

大芸術家ミケランジェロを、カーサ・ブオナローティの所蔵品によって紹介

同展は、「神のごとき」と称された大芸術家ミケランジェロ(1475~1564)の創造の軌跡とその波紋を、彼の子孫のコレクションを引き継ぐカーサ・ブオナローティ(フィレンツェ)の所蔵品によって紹介するもの。

カーサ・ブオナローティは、1508年にミケランジェロがフィレンツェ旧市街のギベッリーナ通りに購入し、1516年から25年まで居住した邸宅。その後は甥レオナルドとその家族の住まいとなり、以降一時の中断はあったものの19世紀半ばにフィレンツェ市に譲渡されるまで、ミケランジェロの子孫ブオナローティ家の本拠となった。

現在は、一家が代々受け継いできたミケランジェロの素描、彫刻、書簡をはじめとする膨大な美術・考古・歴史コレクションと、ミケランジェロの偉業をたたえるバロック壁画の施された居室群を有する美術館として、一般公開されている。とりわけミケランジェロの素描と書簡に関しては世界一の質と量を誇り、世界的なミケランジェロ研究の拠点としても、重要な役割を果たしている。

"門外不出"の傑作《階段の聖母》を、史上初めて長期展示

マルチェッロ・ヴェヌスティに帰属《ミケランジェロの肖像》1535年以降、油彩/カンヴァス フィレンツェ、カーサ・ブオナローティ所蔵 (C)Associazione Culturale Metamorfosi and Fondazione Casa Buonarroti

ミケランジェロ・ブオナローティ《『レダ』の頭部習作》1530年頃、赤石墨/紙 フィレンツェ、カーサ・ブオナローティ所蔵 (C)Associazione Culturale Metamorfosi and Fondazione Casa Buonarroti

会場では、素描を中心に30点を超すミケランジェロの作品類、および関連作品など計60点を通じて、西洋美術におけるもっとも偉大な芸術家の知られざる創造的プロセスとその秘密に迫る。また作品とともに、彼の手紙や自筆手稿類なども紹介することで、この偉大な芸術家の制作における苦悩や人間的側面も併せて観覧できるという。

なかでも彼が15歳前後で制作したとされる《階段の聖母》は、初期の大理石浮き彫りによる傑作で、これまで門外不出とされ、長期貸し出し展示されるのは同展が史上初の機会となる。

会期は、9月6日~11月17日。会場は、国立西洋美術館(東京都台東区上野公園7-7)。開館時間は、9時30分~17時30分(金曜日および11月2日・11月3日は20時まで)。入館は閉館の30分前まで。休館日は月曜日(ただし、9月16日、23日、10月14日、11月4日は開館、翌火曜日は休館)。観覧料金は、当日:一般1,400円、大学生1,200円、高校生700円。その他、詳細は同展Webサイトを参照のこと。