リンクアンドモチベーションの研究機関『モチベーションエンジニアリング研究所』は、就職に対するアジアトップ校学生と日本人学生の意識の違いを調査するため、アジアのトップ校の大学生254名を対象にアンケートを実施した。調査期間は3月1日~18日。
同調査の対象地域は、中国、香港、インドネシア、シンガポール、ベトナム。対象校は、中国(清華大学、北京理工大学ほか)、香港(香港大学、香港中文大学ほか)、インドネシア(バンドン工科大学、インドネシア大学ほか)、シンガポール(シンガポール国立大学ほか)、ベトナム(ベトナム国家大学、貿易大学ほか)。
アジア学生は施設環境や制度待遇を重視
まず、就職活動時に重視するものについて尋ねたところ、アジアトップ校学生は日本人よりも「施設環境」や「制度待遇」を重視。また、日本人は会社の「事業内容」を重視しているが、アジアトップ校学生は会社の事業内容よりも、実際に会社で何ができるのか「仕事内容」に関心が高いこともわかった。
上司のどのような行動がモチベーションを高めるか聞くと、8項目中「キャリア提示」についてのみアジアトップ校学生の方が高くなっている。「特徴理解」や「課題把握」で差が大きくなっていることから、上司を自分の面倒を見る人とおくかどうかなど、日本とアジアトップ校学生では上司像の違いがありそうだ。
次に、どのような職場がモチベーションを高めるか8項目に分類し、それぞれの重要度を集計した。「目標の具体化」「活発な発言」「切磋琢磨(せっさたくま)する風土」など、職場に関する重要度は全体的に日本人の方が高い。
キャリアプランの有無について尋ねると、アジアトップ校学生の67%が「明確な目標がある」と回答。「漠然とした目標がある」を加えると、9割以上がキャリアプランについて何らかの目標を持っていることがわかった。
また、望ましいキャリアパスのイメージに近いものを尋ねたところ、42.7%が「複数の会社に勤める」と回答。しかし「1つの会社に長く勤める」と回答した人も36%と3割を超えた。1つの会社に長く勤める理由は、安定や企業への忠誠、帰属感などが挙げられた。