リカバリーレコードを追加することで圧縮ファイルの整合性を維持する定番の圧縮展開ツール「WinRAR(ウィンラー)」のバージョン5.00が、2013年9月3日(現地時間)にRarLabからリリースされた。新たな圧縮形式「RAR5」をサポートし、さらに効率的な圧縮方法を実現している。圧縮時に利用する辞書サイズを1ギガバイトまで拡大し、パフォーマンス面の改善を実現した。32ビット版をお使いの場合は従来どおり256メガバイトまでの辞書を利用可能だが、標準設定は32メガバイト。なお、旧RAR形式の場合は4メガバイトまでとなる。
「RAR5」に用いるリカバリーレコードは、"誤り訂正符号"としてリードソロモン符号(RS符号)を採用し、WinRAR 4.x時代よりも大規模の欠失を検出し、高い復元性を実現した。暗号化アルゴリズムもAES-128からAES-256に変更。このほかにも各所のアルゴリズムを変更し、より大きな圧縮ファイルを作成する際や展開時の安全性や利便性を向上させている。
なお、圧縮形式の刷新はWinRAR 3.00が採用したバージョン2.9以来。このほかにもUTF-8形式のファイル名や重複したファイルの検出、NTFSのハードウェアリンク/シンボリックリンクのサポートなどを実現した。RarLabでは、「RAR5」形式で圧縮したファイルを送信する際は相手との互換性を踏まえ、しばらくの間はRAR(古い圧縮形式)を選択することを推奨している。
WinRARは約一カ月間試用可能なシェアウェア。日本の公式WinRAR販売代理店であるWinRAR in Japanは1ライセンス2,625円、DEGICAは1ユーザー2,860円で販売している。ただし、いずれの代理店でもバージョン5.00の日本語版は執筆時点でリリースされていなかった。