説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「パネルが割れていてもタッチできる?」という質問に答えます。
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歴代iPhoneの液晶パネルには、表面に強化ガラスが貼られています。公式スペックとしてうたわれてはいませんが、解析の結果iPhone 4Sまでは米コーニング社が開発した化学強化ガラス「ゴリラガラス」、iPhone 5にはその後継版で約20%軽量化された「ゴリラガラス2」が使われているといわれています。
化学強化ガラスは、素材にアルカリアルミノ珪酸塩が使用されるなど組成が異なり、その硬さはプラスチックの数十倍とされています。硬貨や鍵で擦ってもキズがつかないほどですから、ポケットやカバンへ無造作に入れても支障ありません。
強化ガラスは厚い強化層を持ちキズがつきにくいものの、ガラスの曲がりにくい特性が失われるわけではありません。それに落下するときは完全な垂直/水平ではなくある程度の角度がつくでしょうから、力の加わり方が不均一となり、強化ガラスといえど割れてしまうほどの強い衝撃になりえます。
強化ガラスが割れるときは、いくつかの破片に分かれたりせず、全体が粉々になる傾向があります。iPhone 5の場合、表面/背面に強化ガラスが使用されていますから、落下させるとどちらか一方、あるいは両方が粉々になりかねません。粉々になっても、電極層が損傷していないかぎりある程度はタッチを認識しますが、指先を切ってしまう可能性があるため、使用は避けるべきでしょう。
割れたガラスを修理するときの費用ですが、保険に入っていなかった場合は全額自己負担になります。聞いた話によると、iPhone 5の場合液晶パネルの交換で対応可能らしく、その場合費用は1万5千円前後になるそうです。リアル店舗のApple Storeが近くにある場合は、持ち込んで相談してみましょう。