女優の中谷美紀が現地時間の1日(日本時間2日)、映画『利休にたずねよ』が第37回モントリオール世界映画祭にワールドコンペティション部門に出品されていることに伴い、カナダのノートルダム・ド・ボンスクール教会でお茶会(お点前)を開いた。

ノートルダム・ド・ボンスクール教会でお茶会を開いた中谷美紀

映画『利休にたずねよ』で、利休の妻を演じ、茶道を10年以上たしなんでいる中谷。同映画祭の公式上映の舞台あいさつなどに参加する中、日本の文化を発信していくという意味も込めてお茶会を実施した。開催場所となったノートルダム・ド・ボンスクール教会は、18世紀に建てられたモントリオール最古の教会で、もちろんお茶会を開くのは史上初。教会には約200人が集まり、中谷は2011年にモントリオールの地で演じた舞台『猟銃』の演出家のフランソワ・ジラールなどの現地の客人をもてなした。

拍手で迎えられた中谷は、フランス語であいさつ。時折笑顔を見せ、フランス語で会話をしながらお茶会を進めていった。出されたお茶を飲んだ客人は、口々においしいとコメント。その華麗な手さばきを、息を飲んで見守っていた。終了後、中谷はフランス語と英語であいさつ。「みなさん、ようこそいらっしゃいました。私はここにいることができて幸せです」と喜び、「千利休は400年前にいた人で、その生涯をご自分の威厳と魂とともにお茶にささげた人です。35平方フィートの小さな木造の建物の中で、気・地・火・金・水といった要素を含む建物の中で行われたお茶です。楽しんでいただけましたでしょうか?」と問いかけた。

また、フランソワ・ジラール監督を「偉大な監督」とたたえ、「2011年には日本で大震災があり、物理的にも精神的にも大変な時期でした」と涙ぐみながら当時を振り返った。今回のお茶会でお茶の心を伝えられたかを問われると、「私には答えがないです」と言い、「むしろ、皆さんのほうが答えを持っていると思います。でも、フィーリングについては共有できたと思います」と充実した思いを伝えた。