ボーイングはこのほど、パイロットと技術者の需要を予測する「2013年度パイロットと技術者予測」を発表。拡大する航空機需要に対応するため、今後20年の間に新たに100万人以上の民間航空機パイロットと整備技術者が必要であると予測している。
特にパイロット需要が大幅増加
同予測では、2032年までに世界の航空市場は、49万8,000人の新規民間航空機パイロット、55万6,000人の新規民間航空機整備技術者が必要と試算している。
ボーイング・フライト・サービスのバイス・プレジデントであるシェリー カーベリーは、「航空業界が人材を早急に必要としているのは世界的な課題であり、対応を急がなければなりません。パイロットや整備技術者の需要増に対応するための鍵は、最新のテクノロジーを駆使したトレーニング システムを強化し、若い世代に対して航空宇宙業界で働く興味を喚起していくことです」と述べている。
今年度の予測では、特にパイロットの需要が全世界で大幅に増加、ヨーロッパのみが昨年予測よりもわずかに減少するという。全体的には、単通路を中心とした新規の航空機予測デリバリー機数の増加により、毎年約25万人のパイロットが新たに必要になると発表している。
新型機のテクノロジーで負担減を期待
技術者に関しては、年間で約2万8,000人を新たに必要としているが、この需要に対して課題が指摘されている。しかし、メンテナンス作業を必要とする旧型機は退役し、効率性に優れた新型機を導入することによって、メンテナンス作業は徐々に軽減傾向にある。最新式のコンポーネントを特徴とする新型機のテクノロジーは、様々な分野でメンテナンスの必要性を軽減し、整備技術者需要の減少に向けた一因となることが期待されている。
今後の課題対策としてカーベリー氏は、「これは世界的な課題であり、業界全体で対応する必要があります。パイロットや技術者向けに行われている革新的なトレーニングや、紙や黒板ではなく、タブレットPCやeBook、ゲーム・テクノロジーや3Dモデルなどを活用した講義を積極的に紹介し続け、若者の目を航空業界に向かせることが必要です。航空業界は働きがいのある場所です。私たちは、この業界が若者にとっての魅力あふれるオプションであることを実証していかなければなりません」とコメントしている。