ではそろそろALIENWARE 17 プラチナの性能検証に入ろう。まずは基本情報として、搭載OSがWindows 7であることを思い出しつつ、「Windows エクスペリエンス インデックス」と総合ベンチマーク「PCMark7」の結果を見てみよう。
■PCMark7 | |
PCMark score | 4774 |
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Lightweight score | 5297 |
Productivity score | 4841 |
Entertainment score | 3966 |
Creativity score | 7145 |
Computation score | 10988 |
System storage score | 4733 |
エクスペリエンス・インデックスの最下位スコアがストレージであること、CPUやGPUが強力なわりにPCMark7のスコアが奮わない点は全て、ストレージがHDDベースだからというところに起因する。mSATA SSDのキャッシュも効果がないわけではないが、全体のレスポンス向上という点ではあまり貢献していないようだ。以下に「CrystalDiskMark」のテスト結果(1000MB×5、ランダムデータ)も掲載しておく。
最新ゲームで性能を存分に発揮
ノート用GPUとしては最速クラスのGeForce GTX 780Mを搭載するALIENWARE 17 プラチナの実力を知るには、総合性能系のベンチよりGPUを酷使するゲーム系のベンチが一番だ。最初に「3DMark」で描画性能をチェックしてみよう。
■3DMark | |
Fire Strike | 2879 |
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Cloud Gate | 11408 |
Ice Storm | 78849 |
GeForce GTX 780Mのコアベースクロックは823MHz。ノート用GPUは発熱量を抑えるために、デスクトップ用GPUよりも動作クロックを低くしている。一番重い「Fire Strike」のスコアが期待値に届いていないと思った人は、その点を考慮に入れておくべきだろう。
それでは重量級ゲームを中心にパフォーマンスを見ていこう。今回は解像度を1,920×1,080ドットに固定しつつ、そのゲームで最も重い画質設定と、画質を少々落とした設定でどの程度の性能が出るか検証している。
まずは2013年内に新作が出ることが期待されている「バトルフィールド3」から。プリセットの「最高」画質および「高」画質の2通りを使い、ステージ4開始時のシークエンス表示時のフレームレートを「Fraps」で計測した。
最高画質でも平均42fpsが出るのは、さすがALIENARE 17というところ。最低fpsが20fps以下に落ち込む箇所があり、そこではカクッと引っかかりを感じたが、画質を1段落とせば全く問題なく遊べる。
続いては基本無料プレイのロボ系FPS「HAWKEN」。最高画質設定では火災等の表現をリッチにするPhysXも一番重い設定を選び、高画質設定ではPhysXを無効化した。「Fraps」を使い、対戦マップ「アンドロメダ(Prosk)」でのフレームレートを計測した。
このゲームにおけるPhysXの計算はGeForce内部のCUDAコアを使う。そのため、PhysXを使うとフレームレートがガクッと落ちるのは、どんなGeForce搭載PCでも同じだ。さしものALIENWARE 17もフルHD・最高画質ではちょっと重すぎるという印象だ。PhysXを切り、画質を1段下げれば超快適なプレイ環境になる。
続いては「Tomb Raider(2013)」を使う。画質は一番重い「Ultimate」と2段下の「High」設定、内蔵ベンチマーク機能を使って検証した。どちらのテストもGPUが十分冷えた状態で実行している。こちらもUltimateだとさすがに重い。
次は「Company of Heroes 2」。このゲームの最高画質設定は、デスクトップ向けのハイエンドGPUでも音をあげる超重量級だ。ここでは最高画質設定に加え、画質「Medium」で固めた設定も加えている。これもゲーム内蔵ベンチ機能を利用した。最高画質における最低fpsの値に注目!
最後にサービスがようやく始まった「ファイナルファンタジーXIV 新生エオルゼア」の公式ベンチの結果を見てみよう。これまでのゲームよりずっと軽いため「最高画質」設定1本でチェックする。
フルHD&最高品質でも文句ナシの「とても快適」判定が出た。同ゲームを最高の環境で遊びたいなら、ALIENWARE 17はまさに夢の一台となるだろう。
さて、ここまでALIENWARE 17のすさまじいパワーを目の当たりにしてきたが、気になる部分がある。それは「発熱」だ。下図は「3DMark」の「Fire Strike」実行時におけるCPU温度(水色)とフレームレート(オレンジ)の推移だが、中盤やや右「Physics Test」で、両グラフがクシ型に上下している。
このような急激な変化はデスクトップ機ではあまり発生しない。Physics TestはCPUをフル回転させるため、おそらくCPUの温度が上がりすぎてサーマルスロットリング状態に入り、また短時間で冷えて復活、再びサーマルスロットリングへ……というサイクルを繰り返しているものと考えられる。
「HWiNFO64」を使い、システム起動10分後のアイドル状態と3DMarkの全デモとテストを一順させた時の最高温度を計測したところ、CPUが100℃に到達していた。その一方で、GPUの冷却は実に上手くいっていることがうかがえる。
ゲームでCPUの全コアをフルに使うというケースはあまりないが、CPUを限界まで回すような処理はちょっと避けた方がよいかもしれない。あるいは市販の冷却台を使ってボディの下に冷気を呼び込む工夫が必要だろう。
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