インテリジェンスはビジネスパーソン約15万人(2007年1月~2013年6月まで)の、年収と希望年収の差について調査を実施した。
転職希望者の年収と希望年収の差が拡大傾向に
転職希望者の「年収平均値」と「希望年収平均値」の差を見たところ、2007年~2010年までは「+50万円前後」で推移。2011年からは年収と希望年収の差が拡大し、2011年は「+72万円」、2012年は「+82万円」、2013年1~3月は「+80万円」、直近の2013年4月~6月は、過去6年半で最も大きい「+96万円」まで拡大している。
アベノミクスが影響? 経済状況が反映される転職者の希望年収
リーマンショックのあった2008年以降、2010年までは、転職希望者の年収と希望年収の差は比較的小さかった。これは、当時日本経済全体が大きく低迷し、勤務先の倒産やリストラなどにより転職を余儀なくされた人が増加。年収がダウンしても転職先を見つけることを優先する転職希望者が多かったためだと考えられる。
また、2011年、2012年は、東日本大震災や欧州危機、デフレなどの影響で実際の年収が大きく減少。明るい兆しが見えにくい状況だったため希望年収はそれほど上昇せず、年収と希望年収との差が大きくなっている。
一方2013年は、一部企業での給与アップなど「アベノミクス」の影響が出始めた。このため、実際の年収が減少傾向であるにもかかわらず、円安、株高などによる企業の業績拡大といった好景気感に希望を持ち、転職で大幅な年収アップを期待するビジネスパーソンが増加。年収と希望年収との差が広がってきているという。