マウスコンピューターのハイスペックノートPC「m-Book」で、最も大きな17.3型のディスプレイを搭載しながら、コストパフォーマンスも追求しているのが「m-Book W」シリーズだ。この夏、第4世代CoreプロセッサーとGeForce GTX 760Mを搭載した新モデルが登場したので、今回はその中からSSD+HDDのツインドライブモデルである「MB-W700S-SH」(販売価格129,990円)を紹介しよう。

「m-Book W」シリーズの新製品で、ツインドライブ、16GBメモリ、ブルーレイドライブ等を標準搭載する「MB-W700S-SH」

ノングレアタイプの17.3型フルHD液晶搭載

m-Book Wは、一見してわかる通り、マウスコンピューターのノートPCとしては最大級の余裕あるボディサイズが特徴だ。液晶ディスプレイはフルHD(1920×1080ドット)表示の17.3型で、写真も動画も大迫力で楽しめるが、特筆すべきなのは表面がノングレア処理になっていること。さまざまな場所で使用するモバイルノートでは、照明などの周辺光が気になりにくいノングレア液晶を採用している製品も少なくないが、最近の据置型ノートPCではどちらかといえば光沢タイプのディスプレイのほうが多いので、これはユニークなポイントだ。

ノングレア液晶を採用しているので、この写真を撮影するとき画面に当たったフラッシュの光も、拡散して目立たなくなっている

ノングレア液晶では映り込みを抑えるために、ディスプレイ表面で周囲の光を拡散するので、色の鮮烈さでは光沢タイプの液晶に一歩譲らざるを得ない。その分、背後の電灯の光などが画面上で邪魔になることがないので、設置場所を選ばないほか、長時間見続けても目が疲れにくい、といったメリットがある。これは一長一短で好みの問題ではあるが、ノングレア液晶のほうが日常的な使用における実用性に重きを置いた、玄人好みのチョイスといえるかもしれない。

テンキーを搭載しても、まだ左右にスペースがある余裕のサイズ

タッチパッドは操作がわかりやすい、ボタンが別のタイプを採用

筐体のカラーリングはグレーでほぼ統一されており、天板はヘアライン加工風の仕上げとなっている

そして、このディスプレイに組み合わせられているグラフィックスチップが、NVIDIAのGeForce GTX 760Mだ。ノートPC向けのGeForce「GTX」700番台の中ではエントリーモデルにあたるチップだが、エントリーとはいえゲーマー向けGPUであるGTXブランドを冠する製品だけあって、かなりのパフォーマンスを有している。具体的なスコアは次ページのベンチマークテストで紹介するが、タイトルによってはフルHDでのプレイも十分可能な、デスクトップPCにも引けを取らない描画性能となっている。

なお、m-Book Wはシリーズ全モデルで、"Haswell"のコードネームで知られる第4世代Coreプロセッサーを搭載しており、CPUにも一定のグラフィックス性能が備わっている。GeForce GTX 760Mは、ソフトごとの描画負荷に応じてCPU内蔵グラフィックス機能とGeForceのどちらを使うかを自動切り替えするOptimusテクノロジに対応しており、本機ではキーボード右上にあるインジケーターで現在どちらが有効になっているかを視覚的にも確認できるようになっている。

VGAボタンがオレンジ色のときはCPU内蔵/GeForceの自動切り替えが有効。右下の緑色のランプは、内蔵グラフィックス側を使っていることを示す

ゲームなどグラフィックス負荷の高いソフトを起動すると、自動的にGeForceに切り替わり、右下にオレンジ色のランプが点灯する

VGAボタンを押すと緑色になり、CPU内蔵グラフィックスの利用に固定され、パフォーマンスを控える代わりに消費電力を下げることができる

ツインドライブや802.11acなど多彩なBTOオプション

今回の試用モデル「MB-W700S-SH」では、CPUはCore i7-4700MQ(4コア、動作周波数2.40GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.40GHz)を標準搭載しているが、BTOオプションによりCore i7-4800MQおよび同4900MQに変更することも可能。メモリも標準で16GBと充実しており、さらに最大24GBまでをサポートしている。また、メモリは通常のDDR3に比べ、さらに低電圧での駆動が可能なDDR3Lを採用しており、アクセス速度はそのままに低消費電力化を実現している。

そして冒頭でも紹介した通り、SSD+HDDのツインドライブ構成が可能なのが大きな特徴の一つ。MB-W700S-SHでは120GBのSamsung 840 SSDと1TBのHDDを搭載しているが、BTOオプションで東芝HG5dシリーズやインテル520シリーズも選択できる。17.3型の余裕を活かし、mSATAスロット用モジュールではなく汎用の2.5インチドライブを2台搭載可能なので、ドライブの選択の幅は大きい。ユーザーによるドライブの交換はあくまでメーカーサポート外だが、ベイには底面のカバーを外すだけで簡単にアクセス可能なので、知識のあるユーザーなら好みのドライブを自分で搭載することも可能だろう。

2.5インチドライブ2台を内蔵可能な余裕のボディサイズ

そのほかの興味深いカスタマイズ項目としては、無線LANにも標準の802.11b/g/n・最大150Mbps対応モジュール以外に、802.11a/b/g/n・最大300Mbps対応の「Centrino Advanced-N 6235」、802.11a/b/g/n/ac・最大867Mbps対応の「Dual Band Wireless-AC 7260」という2種類のインテル製モジュールが用意されていることだ。内蔵無線LANで802.11acに対応したノートPCはまだあまり多くないので、これが選択できるのは大きなアドバンテージだろう。家庭やオフィスでNASなどのネットワーク機器を利用しているユーザーなら、802.11ac対応アクセスポイントと組み合わせることで、アクセス速度を向上させることができる。なお、OSによる802.11acサポート状況の関係で、Dual Band Wireless-AC 7260が選択できるのはWindows 8プリインストールモデルのみとなっている。

「m-Book W」シリーズのうち、DVDスーパーマルチドライブを搭載するのは最小構成モデルの「MB-W700B」(販売価格109,830円)に限られており、MB-W700S-SH以上では標準構成がブルーレイディスクドライブ(書き込み対応)で、DVDドライブはすでに選択肢から外れている。そのほか、200万画素Webカメラ、サウンド機能として「Sound Blaster Cinema」などを搭載する。

Webカメラの画素数は200万画素