ブラザー工業およびブラザー販売は26日、インクジェットプリンタ/複合機「PRIVIO(プリビオ)」シリーズの新製品と販売戦略に関する記者発表会を開催。同発表会ではアニメ「あしたのジョー」を起用した新CMも披露され、アンタッチャブルの山崎弘也さんによるトークセッションも行われた。
新しいPRIVIOのラインナップは、フラグシップモデルの「NEO(ネオ)」、ミドルクラスの「BASIC(ベーシック)」、エントリーモデルの「SIMPLE(シンプル)」の3シリーズ計18機種。各モデルの概要などは以下の別記事を参照いただきたい。
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プリンタの"第3の選択肢"として存在感を高める
発表会では、冒頭にブラザー販売 代表取締役社長の片山俊介氏が登壇した。プリンタ市場の概況について「株高や景況感の改善などによる消費マインドが回復するなか、インクジェット複合機やPCの買い換え需要が高まってきており、今年の年末商戦には大いに期待している」と意欲をみせる。
また、昨年立ち上げた新ブランド「PRIVIO」について「"プリンタに第3の選択肢を"というキャッチフレーズのもと、今までにない製品を投入して存在感を高めてきた」と述べ、特にコンパクトながら手差しA3プリントが可能なNEOシリーズを推していく姿勢をみせた。
PCレスで表現力豊かな年賀状を作成できる新サービス
続いて登壇したブラザー販売 取締役の三島勉氏は、新製品の概要や販売戦略について詳細を説明。その中で三島氏は「新製品はハード面の進化はもちろんだが、"何ができるのか"というサービス面も重視して開発した。そこで今回よりクラウド連携サービスを『Brother Online』と総称し、さまざまな形で展開する」と宣言した。
その手始めに、今回発表された「ミドルクラス以上の新製品には『年賀状アプリ』と『お役立ちツール』の2つの機能を搭載した」とのこと。いずれの機能もクラウド側でアップデートや新機能追加が行われるため、プリンタ本体のファームウェアを更新しなくても常に新しい機能を使えるようになる。これらサービスに関する情報発信を行うため、9月下旬にBrother Onlineのポータルサイトを開設する予定だそうだ。
なお、新製品に搭載される「年賀状アプリ」について、三島氏は「アンケート調査では、年賀状が必要だと思うという人が85%にも上った。一方で、年賀状を作成することを負担に感じる人も多い。そこで、オリジナリティあふれる年賀状を簡単に作成できるよう、この機能を搭載した。クラウドを使っていること意識せずに楽しく作成できるので、ぜひ今年の年賀状作りに使っていただきたい」とコメントした。
年賀状作成とビジネスに役立つ便利な新機能
次に、マーケティング推進部長の大澤敏明氏が登壇し、新製品の特長「年賀状アプリ」と「お役立ちツール」について説明した。
「年賀状アプリ」は、"PCレスで簡単に年賀状作成"というコンセプトのもと、6つの機能を搭載する。1つはプリンタ本体の液晶画面でテンプレートを選ぶだけで簡単に作成できる「デザインテンプレート」機能。もうひとつは、本体のスロットにメモリカードをセットして気に入った写真とテンプレートを選ぶだけで、自動的に写真付き年賀状を作成できる「自動写真レイアウト」機能だ。
このほか、スキャンした素材を年賀状の背景に使える「お気に入り素材合成」や、モノクロで描いたイラストをパステルやレインボーなどのカラフルな色合いにできる「ラブリーカラーチェンジ」、本体で出力したシートに描いた絵をコピーするとはがきサイズに調整してプリントできる「A4お絵かきシート」、その宛名・差出人版の「手書き宛名シート」機能を備える。
「お役立ちツール」は、手持ちの資料をスキャンするだけでOffice文書に変換できる「スキャン to Office文書」、資料の必要な箇所を赤ペンで囲んでスキャンすると、その指定範囲だけをスキャンしたりコピーしたりできる「手書きトリミングスキャン&コピー」の2つ。大澤氏は、「いずれも、ユーザーの要望を汲みながら随時アップデートし、新機能を追加していく」と詳細を説明した。
このほか、大澤氏は2013年秋モデルのラインナップ強化に触れ、従来「PRIVIO」シリーズではハイエンドおよびミドルクラスの製品を提供してきていたが、今秋は機能を絞った低価格モデルを「SIMPLE」シリーズとして展開。「低価格ながら、無線LANやクラウド連携、4色独立カラーインクの採用など、充実した製品に仕上がっている」と、新ラインを紹介した。
キャッチコピーは「あしたの常(ジョー)識」、"ザキヤマ"が丹下段平役で登場
発表会では、同社のコミュニケーション戦略についても説明が行われた。その中で、PRIVIOのCMを一新してアニメ「あしたのジョー」のキャラクターを起用することを発表。会場のスクリーンには同アニメのメインキャラである矢吹丈が登場し、「ブラザーのプリンタは今までの常識にとらわれない"あしたのため"のプリンタ」と「PRIVIO」シリーズを紹介した。
続いて矢吹丈の「おっさん出てこいよ」という声掛けにより、矢吹丈のトレーナーを務める丹下段平の格好をした、アンタッチャブルの"ザキヤマ"こと山崎弘也さんが登壇。スクリーン上の矢吹と漫才のような掛け合いをしながら、新CMや新商品の紹介を行った。
新CMのキャッチフレーズはアニメタイトルに掛けた「あしたの常(ジョー)識」。山崎さんは丹下段平役で声だけの出演となる。会場で山崎さんは、実際に新製品でつくったA3ポスターや年賀状などを披露し、「簡単にカラフルで個性的な年賀状を作れてすごい」と、その魅力を語った。
そして最後に「パソコンなしでも年賀状をつくれる時代が"くる~"」と持ちネタで閉めると、矢吹丈が再びスクリーンに登場して「あっちこっちでしっかり宣伝してくれよ」と山崎さんにエールを送っていた。