厳かな神前結婚式、愛を高らかに謳うチャペルウェディング、そして参列者全員の前で愛を誓う人前結婚式……。現代の結婚式は、自分たちらしさを求めて様々なスタイルが可能です。あなたはどんな結婚式に憧れますか。ブライダルプランナーの高見沢怜さんに、一生の思い出に残る結婚式のつくり方を聞きました。
アメリカでは「華麗なるギャツビー」のようなクラシカルなスタイルが人気
――最近の結婚式の流行といったものはあるのでしょうか?
「ちょっと前までは教会での挙式の人気が高かったと思いますが、最近はご出席いただいた方々の前で新郎新婦2人が愛を誓う『人前結婚』が最も支持されていると思います。
私の勤務するQ.E.D.CLUBは、旧ハンガリー大使公邸の敷地・建物を利用したもの。レストランとウェディング事業を営んでおり、土日にはガーデンウェディングも行うことができます。美しい緑の庭園での開放的な人前結婚式、そんなスタイルが今最も人気があるのではないでしょうか。
また、欧米では1920年代のクラシカルな結婚式スタイルが流行しているよう。『華麗なるギャツビー』のように、クラシカルなドレスやアクセサリー、羽飾りなどで装ったガーデンウェディングがとても人気があるようですね」
「華麗なるギャツビー」は、レオナルド・ディカプリオ主演の映画としても話題になったF・スコット・フィッツジェラルドの名作小説。大邸宅に着飾った男女が集まり、軽快な音楽に合わせてダンスを踊り、シャンパンが抜かれるなど盛大なパーティが繰り広げられる様子が描かれている。
――ブライダルプランナーの方は、海外のブライダル情報などにも詳しいのですか?
「私の取得したブライダルプランナーの資格は、全米ブライダルコンサルタント協会(ABC協会)認定の資格なので、海外の結婚式事情や流行などについても勉強しましたし、これからも勉強していきたいと思っています。
現在、職場ではキャプテン(進行係)を務めていますが、いつか接客や演出に当たることになれば、お客さまの様々な要望にお応えできるような知識や情報の引き出しが求められる。今は携わらせていただく結婚式ごとのスタイル、演出、装花、余興、映像などに毎回新鮮さを感じています」
サプライズが20年後、30年後にも鮮やかな思い出に
――高見沢さんの考える理想の結婚式とは?
「結婚式というのは、自分たちの幸せのかたちを表現する特別な儀礼。どんなスタイルを選ばれても、いつまでも思い出に残る結婚式になったらそれが"理想"だと思います。
思い出に残る結婚式にするためには、主役である新郎新婦が主体的に結婚式の演出を考えるべきではないでしょうか。新婦となる女性は一生懸命に結婚式について考えたり、こだわったりしますが、男性側は『まぁ、適当に』みたいな感じがなきにしもあらず。男性ももっと積極的にご自身の結婚式に関わってほしい気がします。
やはり自分が積極的に関与した結婚式の方が、20年後、30年後まで鮮やかな思い出として残る度合いはずっと大きくなると思うんです。例えば何かひとつでもサプライズを演出するとかですね」
――サプライズというのは、例えば?
「私がキャプテンを務めた結婚式の例ですが、日取りを新婦さんの誕生日に合わせられたカップルがいらっしゃいます。それ自体とてもすばらしい選択と思いますが、新郎の男性は、通常の結婚式のセレモニーに加えて、サプライズで新婦にワインをプレゼントするという演出をなさいました。誕生日プレゼントを結婚式の場で贈ったのです。
ご列席の来賓の方たちからあたたかな拍手とともに誕生日が祝われ、知らされていなかった新婦は大感激。私たちスタッフも感動したほどですから、2人にはこれ以上ない思い出として胸に刻まれたと思います。
それから結婚式の会場に、もう一度訪れることのできるところを選ばれるというのもよいかもしれません。私の職場の宣伝になってしまいますが、Q.E.D.CLUBはレストランもあるので、いつかまたご夫婦で食事に来ることができます。何年かたってから挙式をした場所を訪れて、思い出にふけりながら食事を楽しむのも素敵ですよね」
Profile
高見沢怜(たかみざわりょう)
全米ブライダルコンサルタント協会(ABC協会)認定ブライダルプランナー検定1級。現在は東京・恵比寿のQ.E.D.CLUBウェディング部門のキャプテン(進行係)を務める。