テレビ番組などでも目にする機会が多い「ファシリテーター」は、意見交換の場に欠かせない重要な役割を担っています。今回はその役割や能力についてまとめましたので、ビジネスに役立ててみてください。
■ファシリテーターは「中立な立場の進行役」
ファシリテーター(facilitator)は、シンポジウムなどの意見討論の場において中立な立場でいながらお互いの主張を引き出し、スムーズかつ深い議論を行わせる進行役のこと。意見が対立するような会議などでも目的を見失わないように進行し、より確実な方法を選んで結論をまとめるのです。ファシリテーターがいると、内容の濃い話し合いができるので、集まりの場が有意義なものになることでしょう。
■役割は「目的を知り、意見をまとめる」
ファシリテーターはまず、進行する会議の目的を把握します。内容について詳しい知識を持つ必要はなく、最終的に目的にそった結論を出させることが重要になります。また中立にいるので、基本的には自分の意見は極力出さないように努めます。
会議を始めたら参加者の意見を聞き、ホワイトボードなどにまとめます。このとき自由に発言させるのではなく、挙手してもらうなどしてひとりひとりの意見を確実に拾っていきます。傍観している人がいないように、積極的ではない人にはあえてファシリテーターから意見を求め、参加者全員が納得の上で会議が進行されている状況を作り出します。深い議論が行われると会議を収拾するのも困難になりますが、対立する意見を最善の方法でまとめ、皆が納得するように締めくくることが大切なのです。
■「場をつくり上げる能力」を身につけよう
議論の場がどのようなものになるかは、ファシリテーターの力量にゆだねられます。濃い議論にするためにはまず、発言内容をより深く追求します。「そう思った理由を説明してください」「~について、詳しく話してください」など、参加者が関心を持つような発言を納得のいくように聞き出していきます。このとき相づちを軽く入れたり、発言者と視線を合わせたりするなどして話を引き出しやすくするテクニックが必要となるでしょう。
さらには発言者の意見をわかりやすくまとめ、声のトーンをかえたり、身ぶり手ぶりによる動作を加えたりすることも重要です。ファシリテーター自身の熱意をアピールしながら、参加者全員の士気をあげていきましょう。参加者が考える時間も考慮しつつ、聞き出すポイント、自分が話すポイントを上手に切りかえながら進行させます。
ファシリテーターの能力は取引先との打ち合わせや、社内ミーティングなど身近なところでも生かせます。上手な進行を参考にするなどして、是非積極的に取り入れてみましょう。