みなさんこんにちは。フィスコリサーチレポーターの三井智映子です。
今日は改めて、インフレについて詳しく書いてみようと思います。
というのも、株式を保有した方がいい大きな理由の1つがインフレだからです。
「インフレーション」とは?
アベノミクスは「リフレ政策」を掲げています。リフレ政策とは何かというとインフレを起こすという政策です。デフレの状態から抜け出して、インフレを目指している状況なのですが、では「インフレーション」とはなんでしょうか?
インフレーションはお金の価値が下がることです。お金の価値が下がると物価が上がります。同じものを欲しいと思っても、これまでの金額では物が買えなくなってしまうということになります。好景気 → 物が売れる → 物価が上がる → 会社の収入が上がる → 個人の収入も上がる → 物を買う → 物価がさらに上がる。
インフレがずっと続くとどうなってしまうのかというと、安いうちに物を買っておこうと考える人が増えて、インフレが続きます。自分の家や土地といった資産の価値が安くなったように感じる、お金の価値が下がるので貯金をしたいと思わなくなる、といった問題が起こります。
インフレというと1970~80年代の2度にわたるオイルショックを思い浮かべる方も多いと思います。確かにオイルショック時のように急激に10%以上も物価が上がることは問題です。しかしデフレが続くことも問題です。日本はデフレが続いているためインフレを目指すことになっているのです。
日本のインフレ率推移を見ると、第二次オイルショック(1979年)を過ぎた1982年頃、私が生まれた頃から現在に至るまで、G7の中で最低水準のインフレ率で推移しているんです。冷戦終結後にグローバル化が進行する中、先進国共通の"ディスインフレ"傾向によって、元来相対的に低かった日本のインフレ率は自然に下方シフトし、デフレ傾向に陥ったわけです。
「デフレーション」とは?
では、インフレの反対でお金の価値が上がると、どのようなことになるのでしょうか。
物価が下がるので、少ないお金で物が買えるようになります。しかし、このときは不況になっていることが多く、消費者の財布のヒモはきつく締まっている状態です。ですから、物を売るほうとしては買ってもらいたいので、値段を安くします。使うお金の量が少なくなってお金の価値は上がっていきます。不景気 → 物が売れない → 物価が下がる → 会社の収入が減る → 個人の収入も減る → 物が買えない → 物価がさらに下がる。
近頃の日本はデフレ傾向だったので、タンス預金をしていればお金の価値が上がる、という状況だったわけです。デフレがずっと続くとどうなってしまうのかというと、ローンなど借りたお金がある場合、収入が減っているのに、その借りたお金の金額や利息は変わらなくて、返すのが大変になることもあります。景気を先取りして価格が動く株式は、インフレの時も価格上昇が望めます。資産の一部に株式を組入れることによって、現預貯金価値の目減りをカバーする効果が期待できます。
国家の経済が健全であるにはインフレが不可欠です。デフレで成長を続けていった国は存在しないのですから。
執筆者プロフィール : フィスコ リサーチレポーター 三井 智映子
共立女子中学校・高校を経て、早稲田大学政治経済学部へ。2001年から芸能活動を開始し、現在テレビ、CM、舞台などに出演。また、いち消費者とアナリストの中間的な存在であるフィスコのリサーチレポーターとしても、株式やFXの現場を取材レポートしています。