帝国データバンクは21日、「全国スーパーストア770社の経営実態調査」の結果を発表した。それによると、売上「1,000億円以上」では過半数が増収となった一方、「100億~500億円未満」では3社に2社が減収となり、中堅以下のスーパーが苦戦していることがわかった。

同調査は、同社の企業データベース「COSMOS2」(144万社収録)から全国のスーパーストア経営業者を抽出し、売上高が10億円以上で過去3期分の業績比較が可能な770社の経営実態を分析したもの。併せて倒産動向もまとめている。

2012年度(2012年4月期~2013年3月期)の総売上高(770社の計)は21兆5,340億4,900万円となり、前年度の21兆5,083億9,700万円を0.1%上回った。

企業別に見ると、売上高トップは総合スーパーのイオンなどを経営するイオンリテールで、前年度比2.1%減の2兆1,536億700万円。2位はイトーヨーカ堂で同2.1%減の1兆3,322億9,200万円、3位はユニーグループ・ホールディングスで同2.4%減の7,689億3,900円と続いた。

売上高規模別の増減収推移を調べたところ、売上「1,000億円以上」(36社)の中で2期連続増収となった企業は17社(構成比47.2%)で、増収転換(2社、同5.6%)と合わせると半数以上の19社(同52.8%)が増収。一方、「100億~500億円未満」では2期連続減収が74社(同40.9%)で、減収転落(47社、同26.0%)と合わせると121社となり、3社に2社が減収となった。

売り上げ規模別に黒字と赤字の割合を見た場合、「1000億円以上」では9割近い32社(構成比88.9%)が黒字。それに対して、「10億~50億円未満」では4社に1社となる91社(同25%)が赤字に陥り、黒字企業は279社(同75.4%)と8割に満たなかった。

売上規模別の黒字、赤字の動向(出典:帝国データバンクWebサイト)

地域別にスーパーの増減収を見ると、全ての地域で減収が増収を上回ったことが判明。中でも、北陸では減収企業が78.0%、東北では73.6%と、減収が7割を超えた。北陸では、福井県が原発停止の影響で作業員を引き揚げるなど嶺南地方を中心に景気が悪化したという。東北では震災発生後から大手が相次いで出店し、顧客が地場スーパーから大手に流れたほか、震災特需の反動減が表出した。

2013年1月~7月までの倒産件数は累計52件。このペースで倒産が進むと、3年ぶりに100件割れとなる見込み。一方、7月までの負債総額は268億1,600万円と、既に前年の228億3,900万円を上回っており、TDBによると、東京以西で大型倒産が見られるほか、中規模クラスの倒産が目立つという。