アプリケーション~ゲームまで、ひと通りのベンチマークを実施
まずは3DMarkと、ゲームタイトルのベンチマークを実施してみた。各テストの結果の評価だが、ちょっと保留させていただきたい。というのも、下記にいくつかグラフの例を示すが、Radeon HD 7990や、HD 7970のCrossFireと比較した場合、有意差がほとんど確認できなかったからだ。Radeon HD 8990は未発表GPUなのでよくわからないというのが現時点での認識だが、冒頭に可能性に触れたようなGCNのバージョンアップは施されておらず、単なる7990のリネームであるという可能性が高くなっている。
アプリケーション系のベンチマークや、CPU性能を見るベンチマークの結果は、FX-9590の効果でかなり良好なスコアが出ている。インテルのIvy BridgeやHaswellに比べると分が悪かったAMDプラットフォームだが、それらにも肉薄する水準の結果が出せているだろう。一方、消費電力もかなり多くはなってしまっている。
グラフは、システム全体の消費電力を「ワットチェッカー」で計測したもので、アイドル時の消費電力と、3DMark Fire Strike Extreme実行時のピーク消費電力。ピークでは、ロードでおよそ500W跳ね上がり、600Wを超えてくる |
一度は使ってみたい"最高峰"のマシンがここに
Radeon HD 8990のパフォーマンスの細かい部分については、別記事で追加テストを行いたいと思うが、MASTERPIECE a1500BAが、AMDプラットフォームにおける現時点での最高峰に値するマシンであることは間違いない。その分、価格についても、近年のBTOデスクトップでは中々お目にかかれない豪気な設定になっており、OSにWindows 8を載せて基本構成で44万9,800円と、簡単に手を出せる水準ではなくなっているかもしれない。
あとはこのマシンに、この価格に見合うだけの価値が見出せるかどうかだ。"最高峰"という言葉の魅力が、値段を超越する部分があることは否定できない。CPUとGPUが、自作PCなどのパーツとしては入手できない特別なものであるという点も、このマシンに普通ではないスペシャル感を演出しているだろう。もちろん、それ以外の部分も、それこそケースや冷却ユニットから、メモリ等といった細かな部分まで、"ケチケチ"しない豪華なスペックをこれでもかと実現している。
少なくとも、デフレだ不況だと長年言われ続けたこの世の中で、MASTERPIECE a1500BAをカタチにして世に送り出したマウスコンピューターのチャレンジは凄いことだと思う。軽い気持ちで使いこなせるマシンであるとは思えないが、"普通ではない"パソコンを待望していたユーザーには、このMASTERPIECE a1500BAが唯一無二の選択肢となってくれることだろう。