マイナビは、2014年春卒業予定学生を対象とした、企業の採用状況と学生の就職活動状況、内定状況、今後の見通しをまとめた「2013年度就職戦線総括」を発表した。主な調査資料は「2014年卒マイナビ企業新卒採用予定調査」、「2014年卒マイナビ大学生就職意識調査」、「2014年卒マイナビ大学生就職モニター調査」など。
活動量は全体的にやや増。大手志向も増加に転じる
同まとめによると、2014年卒の学生の就職活動は、インターンシップの参加割合、及び社数が増加に転じたところからはじまっている。
「エントリー平均社数」が対前年比+7.9%、「企業セミナー平均参加者数」が同+9.5%、「エントリーシート平均提出者数」が同+6.5%となるなど、各フェーズにおいて活動量はおおむね前年並みか、やや増加する傾向がみられた。なお、選考受験社数は同+36.5%で、女子を中心に大きな増加を示しているという。
「大手志向」については、5年連続で減少していたのが2014年卒で上昇に転じ、やや大手志向回帰の傾向がうかがえた。ただし、上昇の幅は小さく、比率は2012年卒と同程度になった。また、「大手企業」と「中小企業」のどちらを中心に活動しているかについては、12月の段階では「大手企業中心」寄りの回答をした学生が全体の6割以上だったものの、毎月2%~4%ほど「中小企業中心」に軸足を移す学生が増えているという。
「リクルーター制」を利用する上場企業が増加
学生がOB・OG訪問を行った割合を見たところ、1月以降に前年より増加する傾向がみられた。国公立・私立別、地域別で見ると、関東国公立や関西国公立の学生のOB・OG訪問を行った割合が比較的高く、関西私立、その他私立は全体的に低く推移。リクルーターからの声掛けがあって訪問が行われていることも推測される。
そこで、企業が導入している採用手法をみたところ、採用手法として「リクルーター制」を導入している率が「上場企業」で対前年4.1pt増加(13年卒12.9%、14年卒17.0%)。また、特に注力している採用手法でも、上場企業の11.4%が「リクルーター制」をあげた。
"質"を重視した採用方針が、文理女子の選考受験者数を大きく伸ばす
今回、大幅に増加した延べ選考受験社数を、文理・男女別にみたところ、文理とも男子よりも女子の方が伸びが大きいことが分かった。
中でも「文系女子」は、前年比51.5%増の20.0件と「文系男子」の19.0社を上回っており、金融業界などの高い採用意欲と、男女を問わず"質"を重視した採用方針が、文系女子の延べ選考受験社数増につながったのではないかと同社では分析している。なお、理系女子も前年比55.0%増の14.1件となり、理系男子の選考社数13.0件を上回った。