内閣府は15日、2013年8月の月例経済報告を発表した。それによると、物価の動向について、前月の「デフレ状況は緩和しつつある」から「デフレ状況ではなくなりつつある」に判断を進めたことがわかった。
6月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)が前月比でプラスに転じたことなどを反映した。ただし、基調判断については「着実に持ち直しており、自律的回復に向けた動きもみられる」とし、前月から据え置いた。
物価以外の項目については、雇用情勢を「厳しさが残るものの、改善している」から「改善している」に上方修正。一方、設備投資は「おおむね下げ止まっており、一部に持ち直しの動きもみられる」とし、判断を据え置いた。
輸出についても「持ち直しの動きがみられる」とし、前月から据え置いた。地域別に見ると、米国向けの輸出は「持ち直しの動きがみられる」、アジアおよびEU向けは「横ばい」と判断。先行きについては、「海外景気の底堅さやこれまでの円安方向への動きを背景に、持ち直していくことが期待される。ただし、海外景気の下振れリスクに留意する必要がある」とした。
このほか、住宅建設は「増加している」、公共投資は「堅調に推移している」、生産は「緩やかに増加している」、企業収益は「製造業を中心に改善している」、企業の業況判断は「改善している」とし、いずれも判断を据え置いた。
先行きについては、「輸出が持ち直し、各種政策の効果が発現するなかで、企業収益の改善が家計所得や投資の増加につながり、景気回復へ向かうことが期待される」と判断。リスク要因としては、「海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっている」と表現した。
政策の基本的態度については、「『経済財政運営と改革の基本方針』に基づき経済財政運営を進めるとともに、『日本再興戦略』を着実に実施する」とした。
海外経済の判断は、「世界の景気は、弱い回復が続いているものの、底堅さもみられる」に据え置いた。先行きについては、「当面、弱い回復が続くものの、次第に底堅さを増すことが期待される。ただし、欧州政府債務危機が引き続き景気の下振れリスクとなっている。また、アメリカの政策動向による影響や中国経済の先行き等にも留意する必要がある」とした。