スマートフォンでメールを確認。すぐに返信したかったが、長文になりそうなのでスマホで打つのは諦め、帰宅後に自宅のPCから返事を書いた―― こんな経験をしたことはないだろうか。スマホの文字入力に慣れていない頃にありがちな例である。実際、タッチパネルで長文を書くのはしんどい。こんなとき、サッと取り出してスマホにつなぎ、パパっと文字が打てる物理キーボードがあると非常に便利なのだ。

マイクロソフトが提供しているBluetoothキーボード「Wedge Mobile Keyboard」は、Androidスマートフォンをはじめとするモバイル端末で利用できる製品である。快適に文字が打てる大きさが確保されており、それでいて軽量のため持ち運びも苦にならない。タブレット端末を立てかけられるスタンドが同梱されるなど、使いやすさにも配慮が感じられる。実際に使ってみたので、本稿でレビューを紹介しよう。

シンプルで使いやすい、マイクロソフトのモバイルキーボード「Wedge Mobile Keyboard」シリーズ

まずは製品仕様を確認!!

筆者が購入したのは、Wedge Mobile Keyboard for Business Bluetooth U7R-00022。購入時の価格は4,503円だった。製品にはキーボード本体のほか、ラバー製のキーボードカバーが同梱される。Bluetoothのバージョンは3.0で、Windowsタブレット製品やiPadなどでも利用できる。端末の互換性は同社のWebサイトで確認可能だ。

製品の内容物(写真左)。ラバー製のキーボードカバーが同梱される(写真右)

キーボード本体のサイズは約101(H)×257(W)×21(D)mm、本体カラーはブラック。キー配列はJISで、キー数は109となっている

キーピッチ(キーとキーの間隔)は18mm。キーボード最上段には、便利なホットキーを配置する。筆者の環境では音楽プレイヤーの再生/一時停止、音量の調整キーなどが利用可能だった。キーボード本体の質量は260gほど。

キーピッチは18mm(写真左)。キーボード最上段には便利なホットキーを配置している(写真右)

背面に配置された電池トレイに単四型電池2本を入れて使用する。この電池トレイはキーボードスタンドの役割も果たしている。ゆるやかなキーボードの傾斜により、文字が打ちやすい。

キーボード背面に配置された電池トレイに単四型電池2本を入れて使用する(写真左)。表面、裏面ともに無駄のないデザインになっている

キーボードカバーは中央から折り畳める構造になっており、モバイル端末のスタンドとして利用できる。試しに10インチのAndroidタブレットを立てかけてみたが、抜群の安定感だった。キーボードカバーの質量は200gほど。

キーボードカバーは中央から折り畳める構造(写真左)。タブレット端末のスタンドとして利用できる(写真右)

心地良い打鍵感を実現! ただし……

実際に使ってみると、キーボードの打鍵感が心地良かった。はじめのうちはキーピッチやキーストローク(キーの深さ)に違和感を抱いたが、慣れると気にならなくなった。唯一、残念に感じたのはカーソルを上下させる「上下キー」が小さいこと。利用する際は、右手の指先で慎重に押す必要がある。

また既述の通り、本製品の特長のひとつはキーボードカバーがモバイルスタンドとして使える点にある。このため、キーボードカバーにある程度の重量をもたせることが必要だったのだろう。しかし個人的には、キーボード本体が軽い(260g)という長所を、この重いキーボードカバー(200g)が帳消しにしている印象を抱いた。筆者は普段、持ち運ぶ荷物はできるだけ軽くしたいと考えている。したがって、同梱のキーボードカバーは使わなくなった。100円ショップで売られているソフトケースとモバイルスタンドで代用している。

上下キーが小さいのが残念なところ(写真左)。キーボードカバーは重いので使わず、ソフトケースとモバイルスタンドで代用するようになった(写真右)

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筆者はこれまでBluetoothで接続する製品をはじめ、有線のもの、NFCに対応したもの、折り畳めるもの、丸めて持ち運べるもの、スマートフォンに給電できるものなど、様々なタイプのモバイルキーボードを試してきた。オリジナリティあふれる商品には、その都度感心させられている。

モバイルキーボードに、何を求めるか。それは人によって違う

モバイルキーボードに求める機能は人によって異なる。個人的には「文字を打つ喜びが感じられるか否か」を、このジャンルで商品を選ぶ上での最大のポイントにしている。本製品はオリジナリティあふれる機能を搭載しているわけではないが、シンプルで無駄のない機能およびデザインが気に入った。キーボードの質感もノートPCに近く、文字を打つ喜びが充分に感じられるキーボードだった。今後、長く使っていける製品であると予感している。

(記事提供: AndroWire編集部)